コロナ疲れに試したい3つの心理的マネジメント 自粛生活は自分と向き合う時間…生活の見直しを

中村 大輔 中村 大輔
誰かとつながり会話をしよう(polkadot/stock.adobe.com)
誰かとつながり会話をしよう(polkadot/stock.adobe.com)

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を防ぐための自粛生活は、私たちの生活に大きな変化をもたらしました。緊張した状態が長く続くと心身ともに疲れがでてきます。心の状態は自覚しにくいため、日常でのチェックとマネジメントが大切です。

まずは自分の心の状態をチェックしてみましょう。

・心身の不調を感じる(頭痛や腹痛・食欲不振・不眠等)
・悲観的な考えから抜け出せない
・これまで楽しかったことが何も楽しめない
・ちょっとしたことで涙が出る
・イライラしやすい
・気持ちが落ち着かない
・過食・飲酒量が増える

緊張が長く続くと、環境が改善されたあとも、心身の不調が元に戻らないことも考えられます。緊張感は適度に緩和していくことが大切です。家庭でできる心理的なマネジメントを3つ紹介します。

1つ目は、心で感じている緊張感を身体感覚の緊張に移し、脱力する感覚を味わってリラックスさせる筋弛緩法という方法です。肩や顔などの筋肉にギュッと力を入れ、緊張を緩め、脱力させることで、すっきりとした感覚を味わうことができます。

3秒~5秒かけてゆっくりと息を吐き、ゆっくりと息を吸う、呼吸法を組み合わせるのも効果的です。

2つ目は、不安や恐怖に飲み込まれないように自分自身の「あるがままな」心を受容し、今できることに取り組んでいく森田療法的な生活の実践、または「今・ここ」に集中するマインドフルネスという考え方です。どちらも東洋の思想が起源にあり、私たちには馴染深いものでもあります。

自己は他者に影響を与え、他者は自己に影響を与えています。現在は様々な情報に溢れ、将来への見通しが中々立てられないという状況も続いていますが、不安が強いと自分の考えに自信が持てず、周囲の影響を受けすぎてしまいます。

楽観的、悲観的、どちらにも偏ることなく、ものごとをあるがままに観察し、判断するようになると、心にゆとりが生まれ、不安にとらわれず、冷静に今できることに取り組むことができます。

未知の体験に不安になるのは自然なことです。心身を休ませて自分の感情とは上手に付き合っていく気持ちで、まずは身近でできる部屋の掃除や、日記をつけたり、食事を美味しく味わってみたり、自分でできることに取り組んでみましょう。

3つ目は、誰かとつながり、会話をするという方法です。人は誰かとつながりたいという欲求を持っています。自粛生活ではこれまで親しくしていた人たちとの交流も減ってしまうかもしれません。

平日は仕事、休日は友人たちと過ごし、「親と話すのは苦手だった」と語る、ある会社員の女性は、今回のことで「家族と連絡を取り合うようになり、会話が増えました」と語りました。「お互いの仕事のことや将来の話ができて、落ち着いたら父と一緒に釣りに行く約束をしました」と語りました。

新型コロナウイルス(COVID-19)は人類にとっては脅威ですが、私たちにひと時の休息をもたらし、働き方や健康を見直す契機ともなりました。歓楽街の灯りは消え、街は静かになり、家庭で過ごす時間が増えました。

こうした時間に自分や家族と向き合い、消費し続ける生活から自然と調和した生活へと見直しを行い、一人一人が今できることを実践し、考える時間にしてみてはいかがでしょうか。

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