「保健所に連れて行く」→ちょっと待って 会社の広場にいた子猫を保護“かまってちゃん猫”になる

渡辺 陽 渡辺 陽

もこちゃんは、たった1匹で会社の広場で鳴いていた。その会社に勤めるSさんの妹が保護して、「かわいそうな猫がいる」とSさんに動画を送ってきた。猫と一緒に暮らしたいと思い、ペットの飼える住宅に引っ越していたSさんは、念願の猫との暮らしを始めた。

 

かわいそうな猫がいる

 

2018年12月、千葉県に住むSさんのところに、栃木県の会社に勤める妹から、「かわいそうな猫がいる」と動画と写真が送られてきた。

妹が勤める会社には、大きな広場のようなところがあるのだが、そこで1匹の猫が大きな声で鳴いていたという。会社の事務員は、「保健所に連れて行く」と言ったが、妹が休憩時間に猫を見に行くと、同じ場所に佇んでいた。ちょっと手を伸ばすと逃げようとしたが、すきを見てなでるとすり寄ってきたという。水をあげるとがぶがぶ飲んだ。

妹は、Sさんに「猫を飼ってほしい」とは言わなかったが、「引き取ってくれるかもしれない」と期待しているのが分かった。LINEには「すごく可愛いよ」とも書いてあった。

「10分くらい妹とLINEでやり取りしたのですが、妹が帰る時に、まだそこにいたら私が飼うと言いました」

 飼うなら保護猫

 

Sさんは猫を飼いたいと思い、1年くらい前にペット可の住宅に引っ越した。実家には、いつも犬や猫がいたが、今度は自分で猫を飼いたいと思い、ペットを飼えるところに引っ越したという。

「いつでも飼えるように準備していました。殺処分される子を見捨てられないし、実家でも拾った野良猫を飼っていたので、ペットショップやブリーダーで猫を買おうは思わなかったんです。両親がしていたことを私もする、それは自然な流れでした」

病気かもしれなかったが、Sさんは猫を飼うことにした。

「かわいそうで放っておけなかったんです。すごく鳴いていて、ここで私が飼わなければ死ぬんだろうなと思いました」

 もこちゃんは、かまってちゃん

名前はもこちゃんにした。生後3カ月か4カ月くらい。3週間くらい実家で預かってもらい、年末に帰省した時に千葉に連れてきた。

「実家で飼っていた猫は、私と一緒に寝てくれなかったんです。でも、もこは『もうねんねするよ』と言うと、一緒にベッドに入るんです。朝は午前4時に『起きろ』というのですが、起きないと頭をかじられます。眠い時はつらいけど、それでも可愛い。小さい子供がいるようです」

もこちゃんは、Sさんの気を引きたいといたずらをする。シンクのふたを開けてガシャンと落としたり、鍋やマグカップを床に落とす。大きな音を立てたらSさんが来てくれると思っているそうだ。

仕事から帰ると「抱っこして」と腕を伸ばして甘えてくる。抱っこしないと、抱っこするまでついてくる甘えん坊でもある。

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