コロナ退散を願って妖怪「アマビエ」が七宝焼きで爆誕、ステキすぎると話題…制作者に聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 新型コロナウイルスの収束を願って、疫病を退散させる妖怪「アマビエ」が急浮上。SNSの「#アマビエチャレンジ」には、「アマビエ」のイラストを中心に、フェルトやバルーンアートなどの立体作品が祈る思いで投稿されています。そんななか、あざやかな発色の七宝焼きの「アマビエ」が投稿され1.3万リツイート、4.1万いいねがつき話題になりました。

 投稿したのは北海道で七宝焼きを制作している、さとうゆうき(@youkisatoh)さん。リプ欄には「クリムトみたい。」「めちゃくちゃかわいいいいいいい!!」「これは欲しい。」「有線七宝ですね。喉のぼかしが、繊細でステキです。」「色合いが素敵〜」「すごい作品ですね!Σ( ̄□ ̄;)アマビエちゃんお洒落」とみなさんうっとり。七宝焼きといえば、伝統工芸品で「かわいい」というよりも「渋い」イメージでしたが、こんなにモダンなアクセサリーも存在するのですね。

 七宝焼きは、銅や銀などの金属の上にガラスの粉(七宝釉薬)を乗せて、約800度の高温の窯で焼成して制作する技法です。さとうさんは銀の線を埋め込んでつくる「有線七宝」をメインにされているそう。現在は受注を締め切っていますが「アマビエ」を大量制作中のさとうさんに聞きました。

 ──「ステキ!」という声が多くありましたが、デザインなどでこだわられていることは?

 多くの方が七宝焼きに対して古風なイメージや、敷居が高そうと感じているかと思いますが、年齢や性別を問わずにカジュアルに使っていただけるよう、ユニークなデザインに仕上がるように心がけています。具体的にはあえてあまり陰影をつけず、いたずらがきのようなポップな雰囲気を残しています。

 七宝焼きの個性を活かしつつ現代のニーズに合う作品を作り、七宝焼きの文化が続くよう、ほんの少しでも力になれたらと思っています。

 ──七宝焼きの魅力はどんなところですか?

 生命力です。七宝焼きの表面はガラスなので、丁寧に扱うとお子さまやお孫さまの代までずっと色あせることなくご愛用いただけます。ツタンカーメン王の黄金のマスクも同様の技法で着色されているそうです。そんな風に時を超えて輝き続けるところにロマンを感じます。

 ──長い期間、色あせないとは知りませんでした。今回の「アマビエ」ならお守りのように受け継ぐこともできますね。ツイートが話題になりました。

 多くの方が作品を目に留めてくださり、アマビエが伝えたとされる「もし疫病が流行することがあれば、私の姿を描いた絵を人々に見せよ」という言葉を行動にうつすことができてうれしいです。それに創作意欲をかきたてるアマビエのユニークな容姿も好きです。

 ──「アマビエ」のオーダーはすでに締め切られていますが、再開の予定はありますか?

 ありがたいことにたくさんのご注文をいただいております。ゴールデンウィーク期間中に個展を控えておりますので、会期終了後にまだ需要がありそうでしたらオーダーを受けたいと思っています。

 ◇ ◇

 『さとうゆうき個展-七宝焼きによる小作品-』は、「ギャラリー犬養」(北海道札幌市)で4月29日から5月11日まで。期間中は七宝焼きのワークショップも開催されるそうです。

 さとうゆうき https://www.youkisatoh.com/

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