新型コロナ「困った時はお互いさま」と、シャープ公式Twitterが“ぶら下がり広告”を解放 「一生ついていく」と好感

佐藤 利幸 佐藤 利幸

シャープ公式Twitterは先月29日に「イベント中止、外出控えと、モノを売る側にとっては厳しい日が続きます。かといって先立つものもないゆえ、広告もままならないことは、私も同業だしわかります。なのでお店や企業アカウントの方、このツイートにみなさんの宣伝をぶらさげて。ふだんは嫌われがちな広告だけど、今こそ存分に広告しよう。」と投稿した。本来はお客さんとのコミュニケーションをはかったり、自社製品のPRをする場を“広告スペース”として解放したのだ。

新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が縮小するなか、危機的状況に陥っている売り手もいる。シャープ公式の大盤振る舞いのこの提案には、ジャンルを超えたさまざまな会社や店がこぞって自社の宣伝をした。スーパー、調味料販売会社、とんかつ屋、スイーツ店、居酒屋、盆栽、美容室、雑誌社、鍼灸院とバラエティ豊かな“顔ぶれ”だ。

そして宣伝とともにシャープへ感謝の一言も添えられていた。一部を紹介すると、

「同じ堺に本社を構える企業同士手を取り合って今を乗り越えていきたいですが、シャープさんのテレビを買うのを忘れ続けているし、シャープさんがこの度マスクを製造してくださるとの事で弊社はいつも通り都こんぶ・おしゃぶり昆布だけを皆様にお届けすることをお約束します。がんばりましょう!」(都こんぶ【公式】)

「ありがとうございます(^^♪今まで経験したことない速度で、『いいね』の通知が止まりません(*_*)一生ついていきますm(_ _)m」(キョーエイなかのヒト)

「シャープさま、元気を届けるツイートありがとうございます 電池に始まり、粘着テープ、ゴム、記録メディア、イヤホン、オゾン除菌消臭器、プロジェクター… 材料から完成品までお届けするマクセルです おそれいりまくせる m(_ _)m」(マクセル - Within,the Future)

また、「sharpのマスク出たらコロナ収まっても買いたい」「マスクの件と言い、目の付け所が優しい」というリツイートも見受けられた。投稿の前日28日、シャープ株式会社(本社・大阪府堺市)が電機メーカーながら品薄状態を受けマスクを生産することがわかっただけに、一気にシャープファンが増えたようだ。

“ぶら下がり広告”を呼びかけたシャープ公式の担当者は、その理由について広報を通じ、次のように説明した。

「『困った時はお互いさま』というのは、さまざまな災害を通じて私たちが痛感した社会の教訓のひとつだと思いますが、今回の新型コロナウイルスへの対応は外出を控えることが肝要と言われており、『モノを売る人たち』が困った事態にあることは容易に想像されます。

シャープのツイッターアカウントは、ふだんお客さんとのコミュニケーションを主目的にしておりますが、とはいえ広義には自社製品を売るための広告アカウントであることもまた事実です。

そういう意味では、来客減に直面しているさまざまな商店や観光業の方と『困りごと』の根は同じと言えます。ですから、比較的フォロワー数が大きいシャープのアカウントを使って、困った時はお互い様的な広告のあり方を考えたのが該当のツイートです。

ツイートには2000件を超えるリプが付き、全国津々浦々で商売されている方の宣伝が寄せられました。中にはその宣伝を見て、お店とお客さんの会話も生まれているようです。

尚、フォロワー数の多いアカウントが他の人の宣伝を買って出る行為は、今回のケースだけではありません。著名なイラストレーターやインフルエンサーと呼ばれる人たちが、同様な発信を行われています」

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