阪神、広島などで活躍の好投手、経営者として介護業界で奮闘中 妻はバレーボール元日本代表

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 阪神、西武、広島で左腕投手として活躍した江草仁貴さん(39)が介護業界で奮闘している。広島市中区にあるフランチャイズ店「レコードブック広島住吉町」が、江草さんの経営するリハビリ型デイサービスの店舗だ。

 現役時代と変わらぬ優しい笑顔で江草さんがこう語る。「現役のとき、いろいろな高齢者施設を訪問すると喜んでもらったんです。祖母がデイサービスに行っていたので親しみもあった。自分も何か役に立てることがあると思いました」

 広島県福山市出身。盈進高、専大を経て2003年に阪神に入団し、11年途中に西武へトレード。12年の開幕前に広島へ移った。2度のトレードを経験したことで、現役の時から引退後の進路については考えていたという。オフには実際に介護施設の見学にも行った。17年シーズン終了後にユニフォームを脱ぎ、(株)キアンの代表取締役として、介護事業で第2の人生をスタートさせた。

 デイサービスのプログラムは午前と午後の2部構成で、ティータイムを含めてそれぞれ3時間。送迎車で迎えに行き、集団運動や歩行機能の回復をサポートする機能改善運動などに力を入れる。

 プログラムには、フランチャイズ本部が作成したものに「江草らしさ」も加えた。それがゴムチューブを使ったインナーマッスルのトレーニングだ。体の深い所に位置する筋肉の強化は、プロ選手にとってパフォーマンス向上につながる重要な練習。筋力トレーニングの際には欠かさず行っている。それが高齢者の筋力や機能維持にも役立つと考えた。

 「例えば、つまずいたときに反応できたり、踏ん張ったりすることが大事なんです」。店舗には特別な器具はない。自宅で手軽にでき、効果が大きいことがこのトレーニングのメリットだ。

 店舗の雰囲気作りにも気を配った。床には赤いカーペットを敷き、明るさを演出した。「パッと見たとき、普通のデイサービスじゃないと思ってもらいたかった。運動したいという気持ちになってほしかった」。高齢者の中には、施設に通っていることを他人に知られたくない人もいるという。だからこそ「胸を張って行っていると言ってもらえる場所にしたかった」と話す。

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