赤ちゃんを抱く優しげな仁王様にギャップ萌え 東京藝大の卒展にほっこり作品が登場

黒川 裕生 黒川 裕生

お寺などの表門に立ち、仏敵の侵入を防ぐ力強い仁王像。睨みを利かせるべく、普段は恐ろしい形相をしていることでおなじみですが、先日行われた東京藝術大学の卒業・修了作品展で、その仁王様が胸に抱いた赤ん坊をあやしながら頬を緩めているユーモラスな立体作品が出展されました。あまりにも心温まるギャップに、Twitterなどで「優しい表情が素敵」と話題に。両隣にいる狛犬の愛らしい姿も絶賛された作者のみよしんさん(@GOEGOE05)に、制作の狙いなどについて伺いました。

みよしんさんは、東京藝大の美術学部彫刻科4年生。この作品、一見すると木彫りのようですが、実は粘土で造形したものを窯で焼いたテラコッタという技法で作られているそうです。仁王像の高さは100cm、狛犬は座っているのが70cm、寝ている方は50cmほど。みよしんさんは「今にも動き出しそうな生命感を意識して作りました」と話します。

「500年、1000年と、ずっと同じポーズで力み続けている仁王様や狛犬たちに休んでほしいなと思って」制作したという、みよしんさん。作品のタイトルは「オフの日」で、実際に存在する様々な仁王像や狛犬を参考にしながら、好きな顔を“ブレンド”して作り上げました。これまでにも、今回のような誰も見たことがない「オフの日」の仁王像を制作しており、「見たときにちょっと笑えるところや、作品を見る人がいろんなシチュエーションを想像できるところ」がこのテーマの魅力だと考えているそうです。

卒展で鑑賞した人がTwitterに投稿したところ、「パパの顔になってる」「(自分の)夫と我が子の一瞬を切り取ったみたい」などと大きな反響を巻き起こしました。みよしんさんは「すごい時代だなと思いました。たくさんの方に見ていただけただけでなく、温かいお言葉も頂戴し、ただひたすらにありがたいです」と喜んでいます。

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