米国のヌードのモデルが、オーストラリア森林火災の被害に対し、寄付をした人に自らのヌード写真を送ると募金を呼びかけて話題になった。
モデルはカリフォルニア州在住のケイレン・ワードさん。ワードさんはもともとオンラインでヌード写真を販売。10ドル以上(約1100円)を寄付した人には、その領収書と引き換えに、自らのヌード写真をダイレクトメールで送るとSNSで呼びかけた。1月7日付のニューヨークタイムズ紙によると、3日からスタートしたこの活動は、数日で100万ドル(約1億1000万円)寄付を集めたという。
しかし、困った事態も発生。ワードさんは、ツイッターのアカウントから寄付を呼び掛けていたが、インスタグラムのアカウントも使用していた。インスタグラムへの投稿には、性的なコンテンツが含まれているとして、インスタグラム側からアカウントが停止されてしまった。
けれども、ワードさんに続けとばかりに、20人以上の女性が「寄付をしてくれたら、ヌード写真を送る」ことを始めたという。ニューヨークタイムズ紙には、ユーザーネーム「ラナ・エバンズ」さんという26歳の女性が、ワードさんと同じやり方で2000ドル(約22万円)を集めたと伝えた。
ワードさんの慈善活動が話題になる以前から、世界ではヌード写真と引き換えに寄付を呼び掛ける人々がいた。
今から10年ほど前、英国で、自閉症研究のための寄付を募るために100人の女性がセミヌードになったカレンダーが販売された。ワードさんのようなモデルではなく、母娘で参加した人など全員が一般人。この撮影の様子を取材したテレビレポーターも加わって話題になった。手ブラと手パンティーのポーズがほとんどだったようだ。
また、オーストラリアのシドニー大学で獣医を目指す学生たちが、2000年代から毎年、セミヌードになり動物とともに写真を撮影したカレンダーを販売。これらも動物を抱くなどして、バストトップと下腹部を隠している。カレンダー販売の利益はグレイハウンド犬の救済に使われている。
女性だけでなく、男性がヌードになって寄付を募ったケースもある。米国ナシュビルのラグビーチームが、オーストラリア遠征の費用を集めるために、2015年カレンダーを作成。こちらも撮影の工夫で性器がはっきりと写らないようにしている。
ここに挙げたのは、募金を集めるためのヌードカレンダーの一例でしかない。これ以外にも、いろいろな人や団体が同じ手法をセミヌードを販売し、その利益を慈善事業にあてている。
ただし、過去にはヌード写真によって集めたお金を寄付しようとしたところ、断られたケースも。オーストラリアの男性、デービッド・マーシャルさんが会員限定のソーシャルメディアアプリで自身のポルノ画像を売って、その売上金を自殺防止団体に寄付しようとした。しかし、ポルノ画像の販売で得たお金は受け取れないと拒否されたのだ。マーシャルさんは別の慈善団体に寄付したという。