猫にはそれぞれ個性がある 4匹の保護猫と信頼関係を築くには…

渡辺 陽 渡辺 陽

外猫に不妊手術をしないでごはんをあげていたおばあさんがいた。猫は妊娠して出産したが、おばあさんは面倒を見切れないと知り合いの人に相談した。知り合いから話を聞いた有川さんは、2匹の保護猫を飼っていたが、あと2匹ならなんとかなると思った。

 

不妊手術をしなかったため外猫が出産

群馬県に住む有川さんは、ソルトちゃん、セサミくんという2匹の保護猫を飼っているのだが、友人が子猫を保護したのをきっかけに、さらに2匹の猫を迎えることにした。

有川さんの友人は、近所のおばあさんが数匹の外猫にごはんをあげていて、しかも不妊手術をしないので困っていた。「不妊手術をしたほうがいい」と、おばあさんに何度言っても聞く耳を持たなかった。

2019年3月、おばあさんは、「うちで野良猫が赤ちゃんを産んだ。ちょっと見に来てくれないか」と友人に声をかけてきた。前にも同じ相談を受けたことがあった。

5匹の子猫が産まれたが、お母さん猫は車にはねられ、3匹は亡くなっていたという。おばあさんは、「私ではどうしようもない」と言った。1匹の子猫はすぐに見つかったが、もう1匹は、いないと思ったら排水溝のところに挟まっていた。5月、生き残った2匹を保護した友人は、有川さんに子猫のことを話した。

先住猫のストレス

有川さんは、大型犬ロッシくんの介護をしながら2匹の猫を飼っていたが、2017年2月にロッシくんが亡くなったので、2匹なら猫を預かれると思った。ただ、ソルトちゃんが神経質なのでしばらく様子を見て考えることにした。

有川さんは、友人に「見てみたい」と言い、子猫たちに会いに行った。

「とても小さくて守ってあげたいと思いました。生後2カ月くらいで、その日のうちに連れて帰りました」

最初は大人しいように思えたが、2匹は、とても人懐っこい猫だった。心配したソルトちゃんは一週間もするとなれてきたが、セサミくんはごはんやおもちゃを取られてしまい、ハゲができてしまった。一見受け入れたように見えたが、じつはストレスだったのかもしれない。有川さんは、ごはんや遊びの場所を別々にして、序列をはっきりさせるため、なるべくセサミくんを優先した。

5月、有川さんは、2匹を家族にした。名前はもちくん、むぎくんにした。

猫と信頼関係を築くには

ソルトちゃん、セサミくん兄弟がおっとりしているのに対し、もちくん、むぎくんは、野良猫だったからなのか、野性味にあふれている。ねずみのおもちゃに執着があって、ウウーッっとうなりながら向かってくる。キャットタワーも破壊してしまったので、作り直した。

「先住猫が圧倒されている感じなんです」

4匹の猫には、それぞれ個性があるが、なかでもむぎくんは、猫には心を開いているが、人間には開ききっていないという。

「信頼していないから、私がひとりで近づこうとすると、パッと逃げてしまうんです。少しずつ信頼関係を築いていくしかない。ただごはんをあげているだけではだめで、嫌がることはしないようにしていますし、おはようとかただいまとか、会うたびに声をかけるようにしています」

そのかいがあって、有川さんとむぎくんには、少しずつ信頼関係ができつつある。有川さんは、「あともうちょっとかな」と思っている。

 

 

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