「一般家庭の前に不要になったものに「ご自由にお持ちください」ってあったりするけど、ウチのご近所にある特殊メイク造形会社のそれはレベルが違う。昼出てて深夜にもあった(でしょうよ」というWAKAN(ASAKUSAN)(@elwakan)さんのツイートが、人々を震撼させた。夜道に立つ怖すぎる着ぐるみの動画に5.8万を超えるいいね!と2.3万のリツイートがつき、再生回数は150万回を超えています(12月19日現在)。
「これ怖すぎるwww」や「フッ 夜中に遭遇したら漏らす自信があるぜ」というリプのほか、「庭に置いといたら防犯力高い」や押し売りや勧誘に最強説も。そんななか、一定数の「え! 欲しすぎるんですけど…」「個人的には欲しい、が、嫁にブチ切れられること間違いなし。」という人も。え…欲しいの? ほんとに? 投稿したWAKAN(ASAKUSAN)さんに聞いてみました。
──今までにも「ご自由にお持ちください」はあったんですか?
近所に住んでいますが、見たことはありません。ホラー映画みたいな撮影は何度か見かけたことがあります。
──そのあと、この着ぐるみはどうなったのでしょうか?
次の日には、一緒に置いてあった襖もなくなっていました。もらった人いないのではないでしょうか?(笑)
──そうは言っても、ちょっと欲しいとか思われてたりして。
近くで見ても、とてもリアルにつくられており、そのディテールのすごさに、正直欲しいと思いました(笑)。
──ツイートがとても話題になりました。
まさかこんなにバズるとは思いませんでした(笑)。ここの町会は浅草神社の三社祭をはじめ元気な場所なので「ご自由にお持ちください」がぶっ飛んでいるのは、なかなかふさわしいのではないでしょうか!
リプライには「小林勇貴監督のヘドローバって映画に出てくるキャラクターです 夜道で会うとびっくりしますね」と着ぐるみの正体を教えてくれた人も。何に出演しているのか気になっていたというWAKAN(ASAKUSAN)さんもこれですっきりです。
すっきり…いや、やっぱり、ヘドローバのその後が気になる!
というわけで、『ヘドローバ』のプロデューサーで「ご自由にお持ち下さい」という貼り紙とともに着ぐるみを置いた「西村映造」(東京都台東区)の西村善廣さんに話を聞きました。
──ヘドローバが「ご自由にお持ちください」になったわけを教えてください。
今までも撮影が終わるたびにいらなくなった小道具や加工したマネキンなどを置いてきましたが、いつもどんどんなくなるので、ヘドローバも結構ほかの映画でもつかいまわしをしたしもういらないよね、いる人がいるかもしれないから1回置いてみようかとなりました。
──加工したマネキンをもらっていく人もいるんですね。それなら持っていく人があらわれそうな気もします。それで、ヘドローバはもらわれていったのでしょうか?
それが、話題になったこともあり、けっこう連絡があったんです。そのなかで最初に連絡をしてくれた自主映画を撮られている監督さんに譲りました。
──やはり、欲しい人がたくさんいたんですね! 道に置いてあったときは、みなさん驚かれていたんじゃないですか?
近所の子どもたちに話題になって、子どもたちがすごく喜んでくれて。意外と子どもは気持ち悪いよりもこういうのが好きなんでしょうね。家族連れとかでも写真を撮ってたりしたんで、写真を撮るなら持っていってほしいなって僕は思ってたんですけど(笑)。
実は、通報があったので建物の中に入れてくださいと警察に言われて、会社の中に入れたんです。そうしたら子どもたちが「ここに宇宙人がいるんだよ~!」って友達を連れて来たらなかったので「あ!なくなってる。いたんだよ!昨日まで」って。人を怖がらせようと思って置いたんじゃなかったので、近所の人たちにもちょっと楽しんでもらえたかなと思いました。
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西村さんは映画監督、特殊メイクアップ、特殊造形を仕事にされていて、「シン・ゴジラ」や「進撃の巨人」の特殊造形プロデューサーというすごい方でした。ちなみに映画『ヘドローバ』は2017年の作品でDVDもありレンタルや配信もされているとのことです。ヘドローバの見た目そのまま? のディープな内容のようですが、ぜひ探してみてください。