「月300組以上」なぜ予約が殺到するのか? 「子の成長を実感」できるお絵描き造形教室

國松 珠実 國松 珠実

神戸市東灘区、阪急岡本駅近くのビル。1階で3〜6歳の子どもたちとママやパパたち10組程が、雪だるま型の発泡スチロールに白い紙粘土を一緒に塗りつけている。やがて筆を使って紙コップを赤や青に塗り、どんぐりや松かさで飾ってかわいい雪だるまができ上がった。

夢中になって手を動かす子どもたちの中には、初めてハサミを持つ子も。見よう見まねで使えるようになった喜びの表情や真剣な表情が、あちこちで見られる。黙々と手を動かしていた男の子が終了後、「次も来たい」と一人で講師の元にやって来た。

ここは、神戸市内をはじめ大阪南部や姫路などの遠方から月300組以上の親子が集う『ハピネスキッズアート』。基本的に月1度の予約制で、1歳半から小学生が対象だ。月ごとに変わる1つのテーマに親子で取組み、作品を完成させる。

「SNSの写真を見て来られる方が多いです。絵具で全身カラフルになった笑顔の子どもの写真が、目を引くのでしょうか」というのは、一般社団法人Atelier happiness bird(アトリエハピネスバード)代表でキッズアートクリエイター&デザイナーの、もりもとさゆりさんだ。地域のイベントにも積極的に参加しており、それをきっかけに教室に通う親子も多いそう。口コミも多い。

構図や色使いを教える絵画教室と違い、ここは「こういうものを作る」と見本を見せ、あとは子どもの感性に任せる。同じ材料を使っても色やデザインが異なる作品は、世界に一つだけだ。「大切なのは違いを認め合うこと」というもりもとさんは「子どもはさまざまな素材に触れ、心で感じ、ママやパパと作品を作ることで自分らしさを確立する。自分らしさは、いわばその子の宝物。成長するにつれ進路に迷うことがあっても、自分の引き出しから宝物を取り出し、自信に変えて生き生き育って欲しい」と語る。

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