猫好きの猫好きによる猫のためのアパートが神戸に誕生 フェリシモ猫部の英知を結集

黒川 裕生 黒川 裕生

ああ、猫。

私は猫と暮らしたい。

しかし、私は猫と暮らすことができない。

何故なら、私が住んでいるのはペット禁止の賃貸物件だから…。

「限りある人生、いつまでそんなことで悩んでいるの?」

…てなことを言ったかどうかはさておき、通販大手「フェリシモ」と不動産会社「和田興産」が手を組んだ「猫と暮らすための賃貸住宅」が、神戸に誕生した。室内の随所にキャットウォークや猫専用の小さな穴、猫用トイレのスペースなど、猫と暮らすために必要な工夫が。猫に特化した賃貸物件は東京などではすでに広まりつつあるが、関西ではこれが初めてとみられ、関係者は「にゃあ、にゃにゃにゃにゃあ」とPRしている。

物件は神戸市垂水区の木造新築2階建てアパート「ワコーレヴィアーノ高丸 猫の家」。ファミリータイプ全4戸で、いずれの部屋も2階構造になっている。リビング・ダイニングに備え付けのキャットウォークがあるのが大きな特長。構想から約2年の歳月を経て、ついに完成した“猫ファースト”の物件だ。

設計段階からフェリシモの猫好きが集まる部活動「フェリシモ猫部」のメンバーが全面的に関わり、和田興産、設計士とアイデアを出し合ったという。同部は「猫と人がともにしあわせに暮らせる社会」を目指し、基金付きの猫グッズの企画・販売や譲渡会の開催などを行っている筋金入りの猫LOVERSである。

キャットウォーク以外にも、床は全室、爪などで傷つきにくいクッションフロア仕様。キッチンは危険なので猫が侵入しないよう扉を閉められる独立タイプで、トイレには猫用のトイレを置くスペースと猫砂などを保管するための床下収納を備えている。

……まだある。

猫の脱走防止のため、全戸、玄関と居住スペースの間にはドアを設置。階段の一番下の段の裏には、猫が隠れられるちょっとした「隙間」もある。網戸は樹脂でコーティングし、猫が多少引っかいても持ちこたえられる仕様になっている。

たまらないのは、猫「だけ」が自由に行き来できる15cm四方ほどの小さな穴だ。トイレの隅や階段の付近などにさりげなく設けられていて、日々の生活の中で、穴をくぐってコンニチハした猫さんと目が合うシーンが何度もある、かもしれない。

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