リスかと思うほど小さかった子猫、偶然駅で出会った人の家族になる

渡辺 陽 渡辺 陽

東京都に住む白鳥さんは、結婚後、いつか猫を飼いたいなと思っていたが、偶然が重なり、駅で1匹の子猫と出会った。最初は、預かるだけのつもりだったが、生まれて間もない子猫を育てるうちに愛着がわいて手放せなくなった。

駅で出会った子猫

2014年7月、白鳥さんは、ほろ酔い気分で駅のホームにいた。サンダルのヒールが折れかけたのでベンチに座り、ふと足元を見るとケージがぽつんと置いてあり、中にはリスのようなものが入っていた。「リスって珍しいな、暑いのに大丈夫なのかな」と思ってみていると、向こうのほうから中年の男性がやってきた。

「これはリスですか?」と聞くと、「秋葉原で子猫を配っている人がいた。最後にこの子が残っていたので僕が引き取ったが、妻に電話したら、ペルシャ猫を飼っているし、ヨーロッパ旅行に行く直前なので引き取れない、返してきなさいと言われた。もうすぐここに猫を配っていた人が来るので、子猫を返すつもりだ」と言う。

やがて子猫を配っていた人がやってきた。「お姉さんもどうですか、見てくださいよ」と写真を見せられたが、ひとつの部屋に30匹くらいの子猫がいた。

白鳥さんは、「ヨーロッパ旅行から帰ってくるまで子猫を預かります」と言い、子猫を連れて家に帰った。 

つきっきりで子猫を飼育

白鳥さんは猫が好きで、結婚したら猫を飼いたいと思っていたので、面倒をみているうちに情が移ってしまった。駅で出会った男性に電話して「ごめんなさい、返せない」と言うと、「ちょうどよかった。男の子のペルシャ猫の気が強いからどうしようかと思っていた」と言われた。

子猫を動物病院に連れて行くと、まだ生後4、5日だと言われた。生後1カ月までは、3時間おきにミルクを与えないといけなかった。当時、白鳥さんは、心理カウンセラーの仕事をしていたのだが、たまたま同僚に猫好きの人が多かったので、事情を知って勤務シフトを変わってくれた。おかげで、白鳥さんは、つきっきりで子猫の面倒を見ることができたという。

名前は、幸運という意味の「ラックくん」にした。

ご主人は猫アレルギーだったが、思ったほどひどい症状が出なかった。空気清浄機を2台設置し、拭き掃除を1日2回している。 

先輩猫から学んで成長

ラックくんはミルクがあまりうまく飲めなくて、気管支のほうに入ってしまうことがあった。肺に入って炎症を起こさないよう抗生物質を飲ませながらミルクを与えた。大きくなっても、とにかくなんでも遅いし、どんくさい。

白鳥さんが出張に行く時は、近所のお兄さん猫が2匹いる家に預けて行った。ラックくんは、お兄ちゃん猫たちが構ってくれるので、その日をとても楽しみにしていた。気配を察してケージに入って待機するほどだった。

お兄ちゃん猫たちの行動を観察して、おもちゃの遊び方や攻撃の仕方、飛び方、食べ方、水の飲み方など、何から何まで学習し、急成長。いろんなことができるようになった。

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