―プレスリリースのタイトルで「インスタ映えに怒りの一撃」と表現されていますが、一般の人たちのカメラアプリのブームなどについてどのように感じていますか。
「ツールは何であれ、写真に親しむ機会が増え、表現の多様性が花開くわけですから、たいへん喜ばしいことだと思います」
―今回の特集がSNSで話題になったことについてどのように思われますか。「よくぞ言ってくれた」という方もいる一方で、指摘している内容のことを「時代遅れ」と感じた方もいるようです。
「話題になることは大いに結構だと思います。ただ、『インスタ映え』」と『伝統的な風景写真』がごっちゃに議論されているのは、いかがかと思います。アサヒカメラが『レタッチを否定した』『インスタグラムを否定した』といった書き込みも見られましたが、それはまったくの見当違い。プレスリリースを最後まで読めばわかることなのですが。むしろ当該号でも「適正なレタッチ方法」を取り上げていますし、次号(10月号)でも特集します」
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今回以外でも、写真にまつわるテーマは多くの人たちの関心を集めています。話題になったこれまでの特集の事例について聞くと、「撮影のルールとマナー」「街でのスナップ撮影時の肖像権問題」などなど…そして特に反響が大きかったのは「著作権問題」といいます。
「まとめサイトなどによる写真の著作権侵害を取り上げ、無断使用者に対する警告文送付や損害賠償請求の方法を書いた<「写真の無断使用」にトドメを刺す!削除要請&損害賠償請求実践マニュアル>の掲載号( 2017年 2月号)は完売。大反響のため、次号でも同じ特集を掲載したところも再び完売しました。いかにみなさんが写真の無断使用問題に関心が高いかと実感しました」とのこと。
デジタルで誰もが情報発信できるようになったが故の課題…何かを得ることは何かを失うことなのかもしれません。