母猫に置き去りにされた子猫 民家の庭でミーミーと鳴き続け愛猫家の耳に届く

渡辺 陽 渡辺 陽

2017年9月に保護された子猫のハチボウは、ミーミー鳴き続けていたところ、偶然にも愛猫家に保護された。

民家の庭から子猫の鳴き声が

埼玉県に住む愛猫家の佐藤さんは、勤務している会社の前で休憩している時、向かいの大きな家の庭から子猫の鳴き声がするのを聞いた。「8匹の保護猫を飼っているので、もう保護できない、聞き間違いでありますようにと思いました。でも、やはり「ミーミー」という鳴き声がしたんです」どうやら1匹でいるようだ。佐藤さんは困ったなあと思いながら、ひとまずその場を後にした。

翌日、朝からしとしと雨が降っていた。その日は金曜日で明日から土日は休み、しかも天気予報は雨だった。「雨が降る日に1匹でいたら、子猫が死んでしまう」。心配になった佐藤さんは昼休みに、猫の鳴き声がする家のインターホンを鳴らしてみた。「猫の鳴き声がするんですけど、猫がいませんか?」と尋ねると、住人は一緒に探してくれた。

たった1匹取り残された子猫

話を聞くと、その家の住人は、庭に来る猫にエサを与えていた。年配の人で、ペットというのではなく、昔の人が猫を可愛がる感じだった。お母さん猫が子猫を数匹産んだのだが、家の裏の工事を始めると、危険だと思ったのか子猫を連れて引っ越してしまったという。1匹子猫の残っているのは知っていたが、どこにいるのか分からなかったそうだ。

雨の中一緒に探すと、物置小屋のかごの中に黒猫の子猫がいた。住人は佐藤さんに「はい、どうぞ」と子猫を渡した。

佐藤さんは妹に迎えに来てもらい、その足で動物病院に向かった。生後約1か月なのに、体重は400gしかなかった。平均より少し小さかったので、この子は育たないと母猫が置いて行った可能性もある。少し猫風邪をひいていたが、体調に大きな問題はなかった。

子ヤギのように激しくジャンプ!

佐藤さんは、子猫をハチボウと名付けた。他の男の子の猫に比べると少し小さいが、元気に育った。「性格はザ・末っ子という感じで、マイペースです。他の猫がおもちゃで遊んでいても、それって僕のでしょ、僕のだよねと取り上げてしまうんです」。子ヤギのようにジャンプするので、タターン、タターンという音がして、他の猫がびっくりしてパニックになる。さらに、ハチボウが激しくジャンプした時に踏まれた猫が、フニャー!と怒るので、家の中を8匹の猫が一斉に逃げ回る。ハチボウだけが「えっ!何、何なの」とポカーンとしているそうだ。佐藤さんは、「こら、ハチボウ、あなたですよ~」と優しくたしなめている。

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