行き先表示があの名曲の歌詞に?! ライブ時の鹿児島市営バスの演出が心憎すぎる

広畑 千春 広畑 千春

 ―でも、そんな表示板の表示って簡単に変えられるものなんですか?

 「当市交通局では自前の編集ソフトを使っているので、パソコン上で作業するだけなんです。ですから、思い付いて形にするのにさほど時間はかからないんです。こういう環境だからこそ、奇襲もできたわけですが(笑)」

 さらに、同年のHey!Say!JUMPのライブでは、前方だけでなくサイドの停留所表示も、「YOU→このバス→アリーナ→行くよ!」とアレンジ。これまでに長渕剛や松田聖子、などのライブでも行い、大好評に。その後、岩下さんの後を継いだ千代森政一さんが、歌詞バージョンを導入。このときも、上司へのお伺いは一切立てなかったそうです。

 「相談するとつまらないものになってしまいますし、つまらなければやる意味がない。公共交通という堅い仕事ですが、その点ではゆるいというか、職員のオリジナリティを尊重してくれる風土には感謝しています」と岩下さん。

とはいえ本業は路線バス。小粋なサプライズは、鹿児島アリーナのライブ限定で、本来の業務の邪魔にならないよう、臨時便の表示板ファイルは常に上書きしており、同じアーティストでも毎回歌詞の表示を一から考えているそうです。

 にしても、移動の疲れも吹き飛ぶような演出をしてくれ、さらに、こんなチャレンジを許してくれるおおらかな組織。ああ、鹿児島、好きになってしまっていいですか?!

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