沖縄が自治獲得に動くか?県知事選完敗の自民党、参院選も苦戦か

須田 慎一郎 須田 慎一郎
知事選で有権者らに支持を訴えた佐喜真淳氏(右)と玉城デニー氏(提供・共同通信社)
知事選で有権者らに支持を訴えた佐喜真淳氏(右)と玉城デニー氏(提供・共同通信社)

 「沖縄の自治獲得」と聞くと、本土の人は“夢物語”と思うかもしれないが、基地反対派は英国からの独立を目指すスコットランド自治政府と接触している。一つの国の中での自治のあり方について情報を共有し、エールを送られているという。玉城氏の言う「1国2制度」を沖縄が要求し始める可能性もあり、日本国内の安定性を欠き、国が分離するという懸念が出てくる。

 今回の結果を真摯に受け止め、今後、安倍首相が沖縄と向き合っていかなければ、沖縄の自治獲得、独立という動きが強くなっていくことも予想される。そうなると取り返しが付かないと、自民党の幹部は危惧していた。

 また、今回の沖縄県知事選では公明党が機能しなかった。玉城氏の事務所で当選が決まった瞬間のテレビ映像では、当選を喜ぶ人たちの後方で公明党の支持母体である創価学会の三色旗が振られていた。学会が公然と分裂したという状況が今回の選挙で浮き彫りなった。

 自民党の候補者が自分の力だけで選挙に勝つことは難しい。中でも参院選はそういうケースとなるだけに、学会の組織票が必要になる。そのための自公連立であるのだが、頼みの公明党が選挙で機能しないとなると、自民党に大きな影響を及ぼすことになる。逆に野党は今回の勝利によって、統一候補で参院選に臨む布石となった。

 いずれにしても、沖縄県知事選は国政の行方を左右しかねない結果を残した。一地方選の結果としてだけでは終わらない。今後の動きが注目される。

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