「近大マグロ」台風24号で2億円被害 3700匹が死ぬ、クエ5000匹も全滅

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台風24号通過後の漁場(写真提供:近畿大学)
台風24号通過後の漁場(写真提供:近畿大学)

 近畿大学は11日、台風24号の影響で、鹿児島県瀬戸内町で養殖していた「近大マグロ」約3700匹(約38トン)が死ぬなどの被害があったと発表した。被害総額は約2億円を想定しており、現在進行中の詳細な調査により、今後さらに大きくなる可能性があるとしている。

 死んだマグロの内訳は、出荷サイズ(40キロ以上)が約800匹で、それに満たないものが約2900匹。主な原因は、台風の影響で海水が濁り、マグロが「いけす網」に衝突したことだとされる。

 近大マグロだけでなく、高級魚として有名なクエも2017年産の約5000匹が全滅。また、陸上の倉庫などが高潮で流される被害も出ている。

 日本列島を縦断した台風24号は、9月29日に「近畿大学水産研究所奄美実験場」がある鹿児島県瀬戸内町付近に接近。高潮により、奄美の最高潮位は203センチと過去最高(172センチ)を大幅に上回る値を記録した。

 近大マグロを巡っては、9月4日に関西地方に接近した台風21号でも深刻な被害が発生。和歌山県串本町の大島実験場で養殖されていたマグロの内、約250匹が死んで、約350匹が流出していた。

 近大では、1970年に「海のダイヤ」と称されるクロマグロ養殖の研究を開始。2002年に世界で初めて完全養殖に成功し、04年から出荷をスタートさせている。

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