「すっぴんで慌てるギャル」一重野梅がいざなう雅な梅の世界

金井 かおる 金井 かおる
梅の花が満開の頃の大阪城梅林(大阪城パークセンター提供)
梅の花が満開の頃の大阪城梅林(大阪城パークセンター提供)

 桃園には、関白(かんぱく)、矢口(やぐち)、源平(げんぺい)、照手(てるて)、赤花蟠桃(あかはなばんとう)など10種が植えられているそう。こちらも気になるネーミングばかり。“映える”花と名前さがし。いまどきの春の見つけ方になるでしょうか。

■一重野梅ってどんな花

 梅の学名「Prunus mume Sieb.et Zucc.」は、江戸後期に来日したドイツ人博物学者シーボルトの命名。意外にも梅はバラ科に属し、果樹として栽培されるものは実梅、観賞用に栽培されるものを花梅と呼ばれます。一重野梅も属する花梅の品種は全部で300種以上あると言われています。さらに系統があり、野梅系・緋梅(ひばい)系・豊後系の3つに分類されるそうです。

 一重野梅は、野梅系の一重咲きの花ということから命名。花の色は白く、咲いた姿は可憐で清楚。開花時期は1~2月。学名はPrunus mume Hitoe-yabai、やはりヒトエヤバイでした。

 幾夜寝覚(いくよねざめ)、雲錦朱砂(うんきんしゅしゃ)、日月(じつげつ)、朱鷺の舞(ときのまい)、満月枝垂れ(まんげつしだれ)、道知辺(みちしるベ)、無類絞り(むるいしぼリ)、八重揚羽(やえあげは)ーーこれは全て大阪城梅林内に植えられた梅の名。百人一首の一節のような名もあり、なんとも風流。梅図鑑をひも解くとほかにも、宇治の里、思うがまま、乙女の袖、雛雲(ひなぐもり)など、想像力をかきたてる名が並びます。

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