「すっぴんで慌てるギャル」一重野梅がいざなう雅な梅の世界

金井 かおる 金井 かおる
梅の花が満開の頃の大阪城梅林(大阪城パークセンター提供)
梅の花が満開の頃の大阪城梅林(大阪城パークセンター提供)

 「すっぴんで慌てるギャルみたいな梅の木あった」

 えっと驚かせるような文章とともにツイッターに投稿された大阪城梅林(大阪市中央区)の梅の木の写真が話題です。梅の名は「一重野梅」。読みは「ひとえやばい」。…なるほど、一重ヤバイ! ギャルがつぶやきそうなせりふに絡めたこの話題、取材すると、なんとも雅な梅の世界がありました。

「こっちの方がヤバイやん」

 れお@KAMPFERさん(@ReoKamp)がツイッターに投稿したのは3月3日。奇しくも桃の節句当日。投稿は瞬く間に拡散され、62000件のリツイート184800件のいいねがつきました。爆発的な反響を呼んだ投稿主さんに聞きました。

 -一重野梅は偶然見つけたのですか。

 「大阪城は数えるほどしか行ったことはありませんし、梅林に行ったのは初めてでした。今回、一緒に行った友人が小さい頃から梅林によく行っており、『ヤエヤバイって梅があるんだよ!』『嘘だ~』『ほんとだって!』みたいなやりとりがあったため、梅名の札を一つずつ見ながら散策していました。そしたら一重野梅を見つけ『こっちの方がヤバイやん』となり写真を撮った次第です」

 -投稿文はすぐ思いついたのですか。

 「午前中に撮影し、夜帰宅してから投稿しました。フレーズに関しては、梅の名を見た瞬間に浮かんだ構図が『口の悪いギャルがギャル仲間のすっぴんをディスってる』様子だったので、「口の悪いギャルみたいな梅の木」とするつもりだったのですが、投稿するにあたり表現にトゲを感じ、『自分のすっぴんに気づいて慌てている』様子に変えて投稿しました」

 -SNSの反響は想定通りですか。

 「自分がおもしろいと感じたものが他の人にも受け入れられたことは素直にうれしいです。ただ、これまではツイッターを同じ趣味(サバイバルゲーム)の人たちとの情報交換ツールとして利用していたので、バズることで通知に気づきにくくなってしまったことは戸惑っています(笑)。また、自分のアカウントが注目を集めたことでせっかく宣伝できるチャンスを得たのに、著書や創作物など宣伝できるものを何も持ってないことを反省しました」

投稿の舞台では

 一躍注目の的となった大阪城梅林は、大阪観光のシンボル大阪城の内堀東側に位置します。1・7ヘクタールの敷地に100種1270本の梅の木が植えられています。

 管理する大阪城パークセンターに電話し「SNSで話題の…」と言いかけた瞬間「ああ、一重野梅ですね!」。

 管理事務所では普段から公園の評判などは細かくチェックしているそうで、今回の投稿も「知っています」。反響の大きさは、社内会議でも共有済みだそうです。「思ってもいなかった切り口に驚いています。注目されることはいいことなので、ありがたく思っています」

 梅の花はファンが多く、開花シーズンには一眼レフ片手に梅マニアが多く訪れるそう。そのため、今回の反響後も「いつもと同じ混雑具合でした。目に見えた変化はありません」。

 梅の見頃は残念ながら終わり、一重野梅の花も散った後だそう。「でも隣の桃園は今からが4月下旬が見頃です。そちらには140本の木がありますよ」

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