「餌やりをするなら地域猫登録を」住民に伝えたが拒否→空腹で鳴き止まない子猫を一時保護「無責任な餌やりは止めて」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「またしても猫を保護してしまって寝るに寝れない夜を過ごしております、こんばんは。
どうしてこうも子猫が産まれるのでしょうか、無責任に餌やりして、地域猫登録しませんかって話に行ったら、都合悪くなってポイするって、なんなんでしょ。この子を幸せにしたいけど、私にはもう無理です。」

子猫を一時保護したことをX(旧Twitter)で報告したラーメン店「つけ麺はぐるま」のSNS担当者さん(@haguruma014)。「つけ麺はぐるま」のSNS担当者さん(以下、SNS担当者さん)が会長を務める「地域猫の会」に「ご近所の方が野良猫に餌やりをしているみたいで、子猫が居ついているみたいだ」などと相談のメールが届いたといいます。

「私の住んでいる団地では、自治会から補助金をいただきながら活動している『地域猫の会』という団体がございます。自治会ぐるみで地域猫活動(※)に取り組んでいるのは、大分市内では私の住む団地のみで珍しく、地元新聞にも掲載していただけました。私はその会の会長を務めており、そのため、相談やクレームがあれば訪問して解決のために行動するという義務がございます。今回ご近所の方が餌やりをしている子猫が居ついてしまって、朝昼夕飯、お腹が空いたら鳴き止まない状況だというご相談でした」

※地域猫:特定の飼い主がいない猫を地域住民らが適切に管理して見守っていく猫

「地域猫の会」会長が餌やり住民のところへ 地域猫登録をお願いしたが…

相談を受けたSNS担当者さんは、その日のうちに餌やりをしている近所の住民のところに直行。そこで「餌やりをするなら地域猫登録をしてほしい」「地域猫登録をするにあたり、この家の庭を該当子猫の縄張りにしてもらうため、また近隣のお宅に迷惑をかけないため、庭のどこかにふかふかの土や砂場を用意して(猫トイレの設置)、近隣の倉庫や車に入り込むのを未然に防ぐため段ボールハウスの設置をしてほしい」などと伝えました。すると、近所の住民から驚くような答えが返ってきたそうです。

「奥様が鳴き声を聞いて、ガリガリの子猫を発見。かわいそうだからと勝手に餌やりをやっただけで、旦那様の方は大の猫嫌いとのこと。野良猫は絶対にうちで世話しない、地域猫登録も他所でやる分には文句ないが、うちで登録するなんてことは絶対にしない、と言われて。さらに、うちの庭に居つかれて困っているところ、地域猫の会の会長さんが来たからちょうどいい、連れて帰ってくれ…とやや怒っていらっしゃいました」

「地域猫の会」の会長であるSNS担当者さんに子猫を連れて帰ってほしいと訴える住民。連れて帰ってもらえないなら、自治会の事務所がある公民館に連れて行くと言われ、結局SNS担当者さんが子猫を一時保護することになりました。

保護時、鳴き続けて声が枯れていた子猫 暖かい部屋でおとなしなった

「保護当初は体中にひっつき虫をつけていて、肉球に傷もありました。目撃情報によるとこの子猫は、氷点下にもなる夜には草むらに入り込んだりして、寒さをしのいでいたそうです。早朝、昼、夕方、晩になるとお腹を空かせて鳴き続けていたそうで、声が枯れていましたが…また餌やりさんの周辺3〜5軒隣まで聞き込みをしたところ、他に子猫の姿を見た人も、親猫らしい猫を見た人もいませんでした。親猫が特定できなければまたどこかで増えてしまう可能性があるため、この親猫調査は回覧板を使い聞き込みをする予定です。

保護後はキャットケージにて隔離し、暖かい部屋で、あたたかいクッションで、ご飯の心配もないと分かると、外では鳴き続けていた子猫が変わったようにおとなしくなりました。ただ我が家の6匹の先住猫たちは知らない子猫が来たことが扉越しでも分かるようで、6匹ともそわそわして、うるさい夜でした」

外ではずっと鳴き続けていたという子猫。SNS担当者さんのところにやって来て、落ち着きを取り戻しました。また子猫についてXに投稿したところ、フォロワーさんから声を掛けられ里親さんが見つかったそうです。

「餌やり」は野良猫が増える、近隣住民とのトラブル問題にも発展

とはいえ、今回の「かわいそうだから」というだけで餌をやり続ける問題について、SNS担当者さんはこう訴えます。

「無責任な餌やりは本当に止めてほしいです。かわいそうだから…鳴かれて困るから…と、責任もとれないのに餌やりする行為は、人間のためにも、猫のためにもなりません。野良猫は放置するとものすごい勢いで増えてしまいます。野良猫が増えると、交通事故や病気、餓死や凍死など、不幸な猫ちゃんが増えるだけでなく、近隣住民とのトラブルの元となり、人間関係にもヒビが入りかねません。餌やりをするなら、せめて避妊去勢の手術だけでもして欲しいです。お住まいの自治体によっては『地域猫活動』や『TNR(※※)活動』などの支援もございますので、それらも活用して、みんなで野良猫ゼロ、殺処分ゼロを目指していけたらいいな、と思っています」

※※TNR:Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと

  ◇  ◇

「TNRとか、保護活動されてる方々の間では常識でも、まだまだ一般には浸透してないのがもどかしい」

今回のSNS担当者さんの投稿には、たくさんのコメントが寄せられ話題になりました。

「TNRとか、保護活動されてる方々の間では常識でも、まだまだ一般には浸透してないのがもどかしいですね 全国の保護活動家や獣医さんをバックアップするような不妊手術基金みたいのができればいいのになぁ」
「大変でしたね 心がきっとどっと疲れましたよね だって命に関わることです 見捨てない判断をした貴方様は本当に強いです いっぱいいっぱいなのにお家に連れて帰ってくださり、その決断、本当にすごいです 飼い主さん見つかってよかった幸せになれー!」
「一時とはいえ行動に起こせる事に尊敬しかありません 無事、里親も見つかったみたいでこの子には幸せになってほしいですね」
「本当、責任も負わないくせに好き勝手する人の多いこと。これ以上不幸な猫が増えないように私には祈ることしか出来ないけれど。。。」
「私も可愛そうで、堪りません…!人間のエゴで生まれてしまう子猫ちゃんや、捨てる人も許せないです!」

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