すし久兵衛VSオークラ 「格落ち」訴訟の行方は

北村 晴男 北村 晴男
北村晴男弁護士
北村晴男弁護士

 合意事項を明記した書面を交わしてはいないにせよ、口頭でオークラ側が「格を損なうような場所にはしません」などと久兵衛に伝え、一応の大まかな合意があった可能性はありうる。原告側としては今後、何らかの形でそのような合意があったと主張するか、あるいは暗黙の了解があったと主張することになることが考えられるという。

 北村弁護士は「次に問題になるのが、格とは何か、ということです」と指摘した。「格とはおそらく、商売人の方の常識とか、一般の方の見方を総合したものと考えられる。裁判所としては判断しにくいでしょう」と述べた。

 原告側としては、新しい場所が「格落ち」であることを立証するために数多くの飲食店関係者や客から、新しい場所が「格落ちだ」という陳述書を集めることが考えられるという。北村弁護士は「それで裁判所を説得できるかどうかは分かりませんが、そのようにして立証を試みることが考えられます」と述べた。

 さらに北村弁護士は「大変難しい判断。高級店の隣だから高級で、隣でなけれな高級ではないと一般的に考えられているだろうか」と、「格」を問うた本件の難しさを訴えた。

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