“世界最長”かもしれない日めくりカレンダー 和紙問屋の“ゆる~い”マステ

福岡 桃 福岡 桃

 同じ技術で、大阪出身の作家・織田作之助の小説「夫婦善哉」のマステも開発。「実用性ゼロですが、お気に入りの一節だけを持ち歩いたり、本を贈るような感じでプレゼントしても素敵ですね」と大上さん。

 オオウエでは和紙製品のブランド「和紙田大學」を立ち上げており、和紙の伝統(トラディショナル)と「ゆるいデザイン」をかけ合わせた「ゆるディショナル」がコンセプト。これらのマステだけでなく、上質な和紙で作るポチ袋や一筆箋、ご祝儀袋などに、一味も二味も違うデザインを施している。

 一体どんなデザインか。「コレッポチ」(ポチ袋)シリーズの一例では、間取り・セロトニン・ねぎ・将軍「綱吉くん」…など。どれもこれも「無難」とは程遠く「シュール」「変かわいい」「微妙な違和感」などと形容されるが、その分、贈る相手の個性にピッタリはまる絵柄を見つけた時の喜びは深い。

 大上さんの願いは、贈る人と受け取る人との間に、和紙同様の「上質な」コミュニケーションが生まれることだという。

 「気軽に手に取れる製品をきっかけに『和紙って結構面白いやん』と思ってもらえたらうれしい」

 和紙田大學の製品は、同社のオンラインショップ「うるわし」また一部の大型文具店などで購入可能。来年2月に京都で開催される「紙博」にも出展予定というから、一度ご覧になってはいかがだろうか。(デイリースポーツ特約記者・福岡 桃)

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