ロッテ永野投手の「広場恐怖症」治療に認知行動療法、暴露療法など…医師が説明

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
広場恐怖症であることを公表したロッテ・永野
広場恐怖症であることを公表したロッテ・永野

 人によって、だいたい同じ状況で出現します。わき上がる不安は現実には到底起こりえないものですが、それらの不安や強い肉体的苦痛が日常生活に大きな負担となります。周囲の人に理解してもらいにくいこともつらいことです。

 治療としては、認知行動療法、暴露療法、薬物療法などがあります。認知行動療法とは、例えばデパートにいるとき、なぜ不安が浮かんでくるのか?という理由を詳細に書いて頂き、そのことに対して現実的には起こりえないということを、時間をかけて理解して頂きます。それを繰り返すことによりバランスのとれた思考回路を作成するといった治療法です。

 暴露療法とは、実際に不安が起きる場所に遭遇して頂き、次第に慣れて頂くという方法です。不安が起きるといっても、「段階」を決めて不安が起こる程度の弱いところから順を追って遭遇することになります。実際に遭遇することが困難な場合は、想像することから始めていただきます。

 2つの治療法は効果があるとされ、積極的に用いられています。また、患者さん自身で暴露療法を知らない間に繰り返すこともあり、自然治癒してしまうケースもあるようです。薬物療法は、抗うつ薬を用いて治療するケースがもあります。

 いずれにしても治療法は、しっかりとある病気です。心当たりの方は専門家に相談して頂き、正しい治療を受ければ、よくなってくる可能性は高いと思います。

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