「温泉むすめ」への熱い愛…ファンらが萌えキャラ誕生日に有馬温泉を清掃

川上 隆宏 川上 隆宏
有馬温泉の清掃に参加した「温泉むすめ」の愛好家たち
有馬温泉の清掃に参加した「温泉むすめ」の愛好家たち

 掃除は誕生日の2月17日、午後1時くらいから3時半くらいまで行われました。19歳から42歳までの16人が参加。遠くは静岡、神奈川から、前日から旅館に泊まって駆けつけたファンもいたそうです。「街中を見るだけでは、ゴミはないと思っていたけど、地域の奥の公園や、森や林の中まで入って、びんや缶のゴミを集めてくれた」と弓削さん。

 当日参加したHIRA(@spanobari1)さんによると、「想像以上のゴミの量で、袋が足りなくなり現地調達するくらいとは全く思っていませんでした。参加したみんなが真剣にこの企画に取り組んでくれたのも凄く嬉しかったです」とのこと。

 ファンの方々が有馬温泉でキャラクターの生誕をお祝いするイベントは今年で2回目。昨年はオリジナルのケーキを食べたり、グッズを並べて撮影するなどしたそうですが、今回のような活動は初めての挑戦といいます。

 「イベントがあったタイミングで各温泉地を利用してSNSで紹介するのも、充分に地域貢献的な活動だと個人的に思います。しかし、今回のように『清掃』という世間的に目に見えやすい形での活動は、まだ有馬のみです。有馬でしようと思った理由としてはまずここまでファンが大勢集まる機会がそうそうないからです。タイミングとしては最高でした」。有馬温泉は金泉、銀泉と2つの温泉があることから、ほかの温泉地は1人しかキャラがいないにもかかわらず、2人のキャラが設定されている特別な地というのも、多くの人々を惹きつけたことと関係しているかもしれません。

 温泉むすめのプロジェクトは発足時からのファンだというHIRAさん。もともと聖地巡礼などで旅行をすることが好きだったといいますが、温泉むすめを知ってからはイベントのついでに温泉に行く機会が増え、温泉地の人の温かさや美味しい食べ物など多くの魅力に触れることで、どんな温泉かを意識して入るようになったそうです。

 萌え系キャラクターを前面に押し出した地域活性化は「萌えおこし」ともいわれ、各地で取り組まれていますが、コンテンツに関心を持って訪れるファンは一時的なもので、なかなか地域振興にはつながりにくいといわれています。温泉むすめをきっかけにした有馬でのファンの取り組みは、新たなファンと地域との関わり方を示すトレンドかもしれません。

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