立春の陽気でバス停に「ハトの影絵」が出現 東京・高円寺駅前の隠れた“名所”

北村 泰介 北村 泰介
バス停のテント屋根に映ったハトの影。足がリアルだ=東京・高円寺
バス停のテント屋根に映ったハトの影。足がリアルだ=東京・高円寺

 立春の4日、東京の気温は4月並みとなる20度近くまで上昇。昼下がりのポカポカ陽気で快適に過ごせたのだが、その影響もあってか、都内のあるバス停で不思議な光景が出現した。

 JR高円寺駅南口のロータリーにあるバス停に雨よけのテント状の屋根があるのだが、そこに10数羽のハトがとまっており、強い日差しによって、その影がクッキリと映し出されていたのだ。

 全身がきれいに映っているハトから、頭を胴体にうずめているため球体に見えるものまで、その形状は様々。ただ、足の爪だけは隠しようもなく、リアルに映っていた。

 実はこの場所、高円寺駅前の知る人ぞ知る、隠れた“名所”である。通りかかる度、気になっていたのだが、空が曇っていると影がぼんやりして、ここまではっきりと映らない。おぼろげな影しか撮影できず、ハトというよりも“蚊”を思わせる写真しか撮れないこともあった。この日ばかりは、立春の陽気が「ハトの影絵」を鮮やかに演出してくれた。

 そして、ハトが飛び立つ瞬間、ついたてに描かれてあった鳥が本当に飛び立つ様を描いた古典落語「抜け雀」を連想させる。そんなことを考えながら延々と頭上を見上げている記者もまた、「コイツは一体、何をしているのか?」と、バスを待つ皆さんの視線を集めていることに気づき、そそくさと現場を立ち去ったのであった。

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