会社の裏手の川の堤防を歩いて出勤していた社員が、草むらから聞こえる鳴き声に気づきました。葉っぱをめくると、雨に濡れた子猫が縮こまって震えていました。前の晩から雨に打たれていたとみられる、生後4週ほどの子猫です。猫好きの社員5人に相談したところ、子猫は会社ぐるみで見守られることになり、ほどなく迎えたいという社員が現れました。
X(旧Twitter)に投稿したのは、総合広告会社「株式会社若草プラス」の公式アカウント「若草プラス【公式】」(@Wakakusa_Print)。2026年9月30日の投稿は約7.9万回表示され、約3300件の「いいね」が付きました。
投稿は「今日は朝から予定外の来客がありました…!」という一文で始まります。「通勤途中に社員が、ひとりでいる子猫を発見」「このままでは心配だったので、社内の安全な場所を確保して会社で見守ることに」と続き、「どうしようか」と話しているうちに、迎えてくれる社員が見つかったと伝えています。
投稿には「ソッコーで『ずっとのおうち』が見つかるなんて、なんて運のいい子」「助けた社員さんも、お迎えした社員さんもめっちゃ徳を積まれましたな…」「みんなで見守りすぐに引き取り先も見つかったのもとっても安心」といった声が寄せられています。
堤防の草むらから聞こえた鳴き声
子猫が見つかったのは、会社に向かう道の途中でした。
「会社の裏手を流れる大きな川の堤防の上に、歩道があります。そこを歩いて会社に向かっている途中で見つけました」
歩道脇では、雑草のアレチウリが大きな草むらを作っていました。そばを通りがかったとき、子猫の声が聞こえてきたといいます。
「声を頼りに、足元にせりだしている手のひらほどの大きさの葉っぱを1枚めくると、雨に濡れた子猫がその下で縮こまって震えていました」
差し出した指にはしきりに威嚇してきたものの、逃げる体力はないようでした。前日の夜にも、奥から声は聞こえていたそうです。「一晩中そこで雨に打たれていたのだと思います」と振り返ります。
親離れには早い月齢に見えたこと、見つかった場所をはさんですぐ向かいには車が多く行き交う国道バイパスがあることから、「もう一晩放っておいたら死んでしまうように思いました」。子猫は生後4週ほどの男の子で、体重は約340gでした。
猫好きの「5人」から、会社全体へ
「最初から会社全体で見守ろうという考えを持っていたわけではありません」
子猫をどうしたらいいか考えたとき、頭に浮かんだのは「猫好きの社員の顔が5人分」でした。急いで出社して相談すると、「あっという間に保護する態勢が整い」、口コミはあらゆる部署に広まっていきました。
人がいなくなると鳴いてしまうため、個室で作業をしている部署の社員が「預かりましょうか」と申し出て、迎えがくるまで見てもらうことに。休み時間には、ほかの部署の社員も動画や写真を撮りに訪れたそうです。
名前は「あめ」 家中を飛び跳ねる毎日に
子猫を迎えたのは、見つけた人とは別の社員です。家には先住猫がいて、もう1匹迎えたいと家族で話していたところだったため、保護された子猫を見て「即決断しました」。
保護したときはおとなしめだった子猫も、今は「ケージから出してあげると、家中を飛び跳ねて暴れまわっています(笑)」。先住猫がビビリのため、対面はもうしばらく後になりそうだといいます。
名前は「あめ」。しばらく雨が続いた時期に拾われたことと、先住猫の名前も水に関する2文字であることが由来です。
同社は「SNSでも多くの反響をいただき、社内だけでなく、猫好きの方がたくさんいることをうれしく思います」とし、「多くの人に見守ってもらいながら、これからも元気に、すくすく育ってほしいです」と話しています。
なお、今回の対応は社員の善意による個別のもので、本業に支障のない範囲で行ったとのことです。同社は保護活動を事業として行っているわけではなく、今後も動物保護の相談窓口になるわけではないとしています。