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根強い共学志向 地盤沈下止まらぬ女子大 今あえて女子大を選ぶメリットは?【キャリアコンサルタントが解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

近年、女子大の共学化や学科再編のニュースが相次ぎ、進路選択において女子大の敬遠傾向と共学大学の人気が、より顕著になっています。

以前の「一般職や特定の専門職を目指すなら女子大」というイメージから変化し、社会全体の男女平等意識の高まりとともに、「女性も総合職として長く幅広く活躍したい」と望む受験生が増加したことで、女子大をあえて選ぶ必然性が薄れてきたことが背景にあるのでしょう。

では実際に、共学と女子大では学べる教育内容やキャリア支援に、どのような違いがあるのでしょうか。後悔のない大学選びに向けた視点について、キャリアコンサルタントの松井亜美さんに話を聞きました。

学科が同じなら学びの差に大きな違いはなし

――女子大が敬遠され共学人気が高まっている背景や、社会的理由を教えてください。

「女子大が敬遠されている」というよりも、以前と比べて女子大でなければならない理由が薄くなってきているという捉え方の方が近いのではないかと思います。かつては、女性が高等教育を受け、社会へ出ていく上で女子大が重要な役割を担ってきました。また、就職においても男女で期待される職種や働き方に違いがある時代がありました。

現在は女性の進学先や学べる分野も広がり、卒業後も総合職をはじめ幅広いキャリアを選択できるようになっています。そのため、女子大そのものの価値がなくなったというよりも、女性の選択肢が広がったことで、「なぜあえて女子大を選ぶのか」という理由が以前より求められるようになったのではないでしょうか。

――共学大学と女子大で、学べる教育内容や身につく能力に違いはありますか?

共学か女子大かという区分だけで、学べる内容や身につく能力に大きな違いがあるとは一概にいえません。実際には、大学や学部ごとのカリキュラムや特色による違いの方が大きいと思います。

一方、女子大では女性がすべての役割の当事者になります。ゼミやグループワークなどで、リーダー役から周囲を支える役まで、さまざまな立場を経験することで、自分の強みや適性に気づけることは、一つの特徴だと思います。

――女子大ならではのキャリア教育や、就職サポートにおける強みはありますか?

面接や書類対策、低年次からのキャリア支援などについては、現在は共学大学でも充実しており、大きな違いはないと思います。

一方、女子大の中には、女性のライフプランやジェンダー、働き方、起業など、女性の長期的なキャリア形成を考える授業を設けている大学があります。また、OGとのつながりを活用し、実際に社会で活躍する女性の先輩をロールモデルとして、将来の働き方を考えられる点も特徴です。

多様な生き方がある時代だからこそ、どのような選択をしても自分で納得できるよう、早い段階から将来のキャリアを考える機会を持てることは、一つの魅力だと思います。

――これからの時代、受験生や保護者は共学と女子大をどう選ぶべきですか?

「女子大か共学か」という2択にとらわれず、自分が大学生活の4年間で何を学び、どんな経験をして、どのように成長したいのかを軸に選ぶことが大切です。

大学名や偏差値、就職実績だけを基準にするのではなく、授業内容や学生の雰囲気、教員との距離感、キャリア支援なども確認し、実際にオープンキャンパスへ足を運んで、自分に合った環境かを確かめてほしいです。

女子大にも共学にも、それぞれの特徴があります。大切なのは、「この大学で4年間過ごした自分が、どう成長できそうか」をイメージし、自分自身が納得して選択することだと思います。

◆松井亜美(まつい・あみ) キャリアコンサルタント
大学で学生の就職・キャリア支援に携わるキャリアコンサルタント。「自分らしく活躍できる場所を、自分で選べる若者を増やしたい」という思いで、自己理解と主体的なキャリア選択を支援。若者が将来のキャリアを前向きに描き、自分らしくいきいきと働ける社会を目指している。

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