暮らしにかかる費用の上昇が続くなか、毎月の固定費を見直す動きが広がっています。なかでも、長年加入し続けている保険は、見直しを考えるきっかけになりやすいものです。Sasuke Financial Lab株式会社(東京都千代田区)が運営する保険の一括比較・見積もりサイト『コのほけん!』が実施した「保険の見直し」に関する実態調査からは、物価高を背景に保障を「減らす」人と、暮らしの変化や将来不安から保障を「増やす」人が、ほぼ同じ割合で存在する実態が見えてきました。
調査は、直近3年以内に保険の見直しを行った全国の30〜60代の男女500人を対象として、2026年7月にインターネットで実施されました。
まず、「現在加入している民間保険の種類」について尋ねたところ、最も多かったのは、「生命保険(死亡保険)・収入保障保険」で66.6%。次いで「医療保険・女性医療保険」が64.0%となりました。
万が一の死亡に備える生命保険と、病気やけがに備える医療保険は、多くの家庭にとって重要な保障と考えられているようです。
なお、「保険には加入していない」と回答した人は2.6%にとどまり、今回の調査対象者の多くが、何らかの民間保険に加入していることがわかりました。
続いて、「直近3年以内の保険の見直し状況」を調べたところ、「一部またはすべての保険を解約した、あるいは保障・保障額を減らした」(37.0%)が最多となった一方、「新たに保険に加入した、あるいは保障・保障額を増やした」(33.6%)とした人も3割を超え、保障を減らした人と増やした人がほぼ拮抗する結果に。
そのほかでは、「見直しを検討したが何も変えなかった」が14.4%、「保障内容や保障額は変えず、保険料が安い別の会社・商品に乗り換えた」が14.0%でした。
保険の見直しというと「解約する」「保障を減らす」といったイメージを持たれがちですが、実際には保障を増やす選択をした人も少なくありません。
では、実際にどのような保険が見直しの対象になったのでしょうか。
「解約もしくは保障・保障額を減らした保険の種類」を尋ねたところ、「生命保険(死亡保険)・収入保障保険」(32.4%)、「医療保険・女性医療保険」(22.1%)、「がん保険・特定疾病保険」(12.6%)が上位に挙がりました。
死亡保障の大きな生命保険は、子どもの独立や住宅ローンの完済など、ライフスタイルの変化によって「以前ほど手厚い保障は必要ない」と判断されることがあります。家族構成や生活環境が変わるなかで、現在の暮らしに合わせて保障を調整する人がいることがうかがえます。
「一部またはすべての保険を解約した、あるいは保障内容や保障額を減らした最も大きな理由」としては、「物価高による固定費削減のため」(29.2%)と「収入の減少により家計が厳しくなったため」(17.3%)を合わせると約半数に上り、毎月の支出を抑えるために、保険料を含む固定費を見直す人が多いことがわかりました。
そのほか、「保険より投資・資産運用にお金を回すため」(16.8%)という意見も見られ、保険の解約・減額は、単なる節約だけでなく、資産形成の方法を見直す動きとも結びついているようです。
一方、保障を増やした人では、「医療保険・女性医療保険」(27.1%)、「生命保険(死亡保険)・収入保障保険」(21.2%)、「がん保険・特定疾病保険」(19.2%)が上位に。
保険を「減らす」場合は生命保険が最多だったのに対し、「増やす」場合は医療保険が最多となり、入院や通院、女性特有の疾病、がんなど、日々の生活のなかで起こり得る病気や医療費への備えを厚くしたいという意識が目立ちました。
「新たに保険に加入した、あるいは保障や保障額を増やした最も大きな理由」としては、「家庭や自分の状況に変化があり保障の追加が必要だと感じた」(32.1%)、「ライフステージの変化(結婚・出産・住宅購入・子どもの成長など)」(23.8%)、「将来の医療費や自己負担額に不安を感じた」(18.5%)が挙がり、保険を減らす理由が「物価高」や「収入減」だったのに対し、保障を増やす理由は「暮らしの変化」や「将来への不安」が中心となりました。
同じ物価高の時代でも、家計の負担を軽くするために保障を削る人がいる一方、変化に備えて保障を足す人もいます。保険の見直しには、それぞれの家庭が置かれた状況や価値観が反映されているようです。
「保険を見直してよかったこと、安心したこと」については、「保険を見直して一番良かったのは、毎月の保険料が約6000円安くなったこと。家計に余裕ができて子供の教育費に回せるようになった」といった、保険料の削減によって、教育費など別の支出にお金を回せるようになったという声が寄せられました。また、保障内容を維持しながら保険料の安い商品に乗り換えたケースや、家族で契約を整理したことで、家計だけでなく気持ちもすっきりしたという声もあります。
そのほか、「子どもが生まれて家族が増えたことをきっかけに保険を見直した。万が一のときの保障内容を確認できたことで、以前より安心感を持てるようになった」「保険に入ることだけで安心してしまっていたが、今の自分に必要なものとなくても大丈夫そうなものを見極めることができた」「個人年金保険の返戻率よりも、その分の掛金をNISAでの運用に移すことで、資産運用のスピード感が劇的に変わり、見直してよかったと感じている」といった意見も聞かれました。
保険は、加入したときの家族構成や収入、ライフスタイルに合わせて選ばれていることが多いもの。しかし、時間が経てば、必要な保障や家計の状況も変わります。
「昔入ったままになっている」「保障内容をよく覚えていない」「保険料が家計の負担になっている」と感じたら、まずは契約内容を一覧にして、保障内容・保険料・保障期間などを確認してみるとよいでしょう。
そのうえで、現在の暮らしに必要な保障が足りているか、重複している保障がないかを整理し、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することもおすすめです。
保険の見直しは、単に保険料を安くするためだけではありません。今の自分や家族にとって、どのような備えが必要なのかを考え直す機会でもあります。
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【出典】
▽コのほけん!編集部調べ
https://konohoken.com/