tl_bnr_land

愛用のネッククーラーが液漏れ 廃棄前に冷却ジェルを台所で洗い流したら…「やっちゃダメ」と同僚に注意された【ごみ問題の専門家が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

40代の会社員Aさんは、数年前からランニングと通勤時の暑さ対策として、ネッククーラーを愛用しています。ある朝、出勤前に引き出しから取り出すと、表面に細かいひび割れがあり、中からジェル状の液体がにじみ出ていることに気づきました。

急いでいたAさんは、とっさに自宅の台所の流しで中身を洗い流しました。その日の昼、会社の休憩中にこの話を同僚にすると、「それ、流したらダメじゃない?」と指摘されます。あわててスマホで調べると、同じように処分方法に悩む投稿がSNS上で多く見つかりました。

見た目はプラスチック製品のように見えますが、そもそも何ごみに出せばいいのでしょうか。うっかり流してしまった中身は、どう処理すればよいのでしょうか。

夏場に使う人が多い身近な冷却グッズだからこそ、いざ壊れたときの正しい処分方法を知らない人も多いはず。お笑い芸人で一般社団法人ごみプロジェクト代表理事の滝沢秀一さんに、ネッククーラーの正しい捨て方を聞きました。

トラブルを起こさないために知っておきたいこと

――壊れたネッククーラーは、何ごみに出すのが正しいですか?

中身の液体をいらなくなった布やキッチンペーパーに染み込ませてから、可燃ごみとして出すのが一般的です。ネッククーラーの中身は水そのものではなく、高吸水性ポリマーや冷却材などの化学物質を含むため、単純な資源として扱うことはできません。

ただし、自治体によっては不燃ごみに分類される場合もあるため、お住まいの地域の分別ルールを事前に確認することをおすすめします。

――中身が漏れた場合、洗面所や台所に流しても大丈夫ですか?

いいえ、流してはいけません。ネッククーラーの中身には、水に触れると固まる性質を持つものがあり、そのまま洗面所や台所に流してしまうと、配管が詰まる可能性があります。

漏れた場合は、いらなくなった布などに染み込ませてから、可燃ごみとして分別してください。また、中身が手についてしまった場合は、すぐに水で洗い流さず、まず布などで拭き取ってから手を洗うようにしましょう。

――もし配管に流してしまった場合は、どうすればいいですか?

すでに流してしまった場合、ご自身で対処するのは難しいため、まずは水道業者に相談することをおすすめします。

ネッククーラーの中身には、温度によって固体や液体に変化する「PCM素材(相変化素材)」という蓄熱材(主にパラフィン系炭化水素など)や、水を含ませて使うジェルタイプの「吸水性ポリマーと水」があります。

PCM素材の場合、24℃や28℃など一定の温度で凍ったり溶けたりするため、配管内で冷えて固まってしまうことがあり、注意が必要です。自己流の対処はかえって詰まりを悪化させる恐れがあるため、少しでも「流れが悪いな」と感じたら、早めに専門業者へ連絡してください。

――プラスチック製に見えますが、プラスチック資源として出してはいけないのでしょうか?

はい、プラスチック資源としては出せません。ネッククーラーは外側がプラスチックのように見えますが、中身が液体やジェル状の化学物質であるため、純粋なプラスチックとは異なります。

中身と外側が一体になった製品を無理に分解しようとすると、先ほどお伝えしたような配管詰まりのリスクにもつながります。外側だけを取り出そうとせず、製品ごとに地域のごみ分別ルールに従って出すのが基本と覚えておきましょう。

◆滝沢秀一(たきざわ・しゅういち) 一般社団法人ごみプロジェクト代表理事、ごみ清掃員、お笑い芸人
1976年、東京都出身。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。「THE MANZAI」2012、2014年認定漫才師。2023年「THE SECOND〜漫才トーナメント」準優勝。
2012年より芸人の傍ら、ゴミ収集会社で清掃員として勤務。現在、ゴミ収集時に見えてくる「社会世相」「食品ロス問題」「環境問題」などを自身の体験をもとにSNSや執筆、講演会などで発信している。2020年、環境省サステナビリティ広報大使に任命。また、リチウムイオン電池等の火災事故防止につながる啓発をおこなう環境省LiBパートナー認定。
著書に『このゴミは収集できません』(白夜書房)、マンガ『ゴミ清掃員の日常』(講談社)など。
▽マシンガンズ滝沢公式X(旧Twitter)
https://x.com/takizawa0914
▽一般社団法人ごみプロジェクト
https://www.takizawa-gomipro.net/
▽【楽しくわかる分別事典】
https://www.instagram.com/takigomi_bumbetsu/
▽このゴミは収集できません(白夜書房)
https://www.byakuya-shobo.co.jp/book/b10025010.html
▽ゴミ清掃員の日常(講談社)
https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000322179

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース