東京都在住のTさん(40代)には、中学生と高校生の2人の娘がいます。Tさんの実家は茨城県、夫の実家は岐阜県です。娘たちはそれぞれの祖父母を親しみを込めて呼び分けていますが、帰省の話になると、その反応にははっきりとした違いがあるそうです。
「岐阜のじいじとばあばの家なら行く」
夫の実家は親戚が多く、東京から岐阜までは距離もあるため、頻繁に帰省できるわけではありません。
ところが、帰省の予定を伝えると、部活動やアルバイトで忙しい時期でも、
「岐阜のじいじとばあばの家なら行く」
と、2人ともすぐに乗り気になります。
Tさんには、その理由が分かっています。
夫の両親である「じいじとばあば」だけでなく、親戚も娘たちの帰省を歓迎し、それぞれ3万円ほどのお小遣いをもらえるのです。
中学生と高校生にとって3万円は大きな金額です。部活やアルバイトの予定を調整してでも帰りたくなる気持ちは、Tさんにも理解できます。
「茨城のばあちゃん家は今回はいいかな」
一方、茨城県にあるTさんの実家は、東京からも比較的近い場所です。
娘たちにとって「ばあちゃん家」は、幼いころから馴染んできました。Tさんが忙しいときには両親が娘たちの面倒を見てくれることもあり、Tさんにとっては、娘たちの成長を一緒に見守ってくれた、大切な存在でした。
もちろん、娘たちも大切にされてきました。帰省すれば好物を用意し、何品もの料理を作って待っていてくれます。 「せっかく来たんだから、これも食べなさい」と、次々に料理を勧めてくれることもあります。
ところが、帰省の話をすると、
「ばあちゃん家は、今回はいいかな。お母さん一人で里帰りしてきたらいいよ」
と、娘たちは消極的です。
「じいじとばあばのところには行くのに、どうしてばあちゃん家は行かないの?」
Tさんがそう思うのも無理はありません。
その差には、明確な理由がありました。
ばあちゃん家では、お小遣いをもらえないからです。
3万円は魅力的だけど…
もちろん、Tさんも娘たちを責めるつもりはありません。
3万円は現実的な金額です。
ただ、母親としては少し寂しい気持ちもあります。
「岐阜の祖父母や親戚が娘たちをかわいがってくれるのは本当にありがたいです。でも、私の実家の祖父母も、小さいころから大切にしてもらってきた場所なんです」
「お小遣いがあるかどうか」で帰省への反応が変わる娘たちを見て、Tさんは少し複雑な気持ちになるそうです。