漫画、アニメ、ドラマには人々が理想とする夢のようなキャラクターが登場します。色気たっぷりのお兄さんに中世的な美男子、毎日一緒に登校するカワイイ幼なじみ。豊満ボディの妹など現実には有り得ないであろう存在だからこそ、視聴者は激しく心を奪われるのです。
オタクに優しいギャルだとか、アッチの方面で積極的な人妻やら……。アニメやドラマだけでなく、セクシービデオでも同じことがいえますね。まさにこれらはオトコの夢を叶える素晴らしき(?)キャラクターですが、悲しいかな現実にはほとんど存在しません。
しかしながら、これらのコンテンツを供給され続けて夢と現実を切り分けられなくなるオトナが急増中だとか!?「夢のようなパートナーでないと付き合いたくない」と嘆く人々が多く、一部の界隈では深刻な問題と化しているようです。
オタクに優しいギャルに夢見てしまうオトナたち
物語の世界は自分に都合の良い存在が現れるからこそ、人々は夢中になります。反対に現実的なことばかりを突きつけるキャラクターが登場しても、夢が見られないため、まず人気が出ないでしょう。
とくにオトナのビデオや恋愛ゲームなどは、この特徴が顕著に現れます。オタクに優しいギャルとか、グイグイ迫ってくる人妻や女教師、学園のアイドルなどから好かれたら、誰もが有頂天になるのは当然のことですよね。しかし、現実に目を向けてみると、その理想はもろく崩れてしまうのです。
たとえばオタクに優しいギャルですが、これはほぼ実在しないといっても過言ではありません。これは元ギャルであり元セクシー女優でもある筆者の調べた傾向なのですが、基本的にギャルはオタクを毛嫌いします。もしもオタク趣味のあるギャルがいたとしても、同じくオタク趣味のある陽キャと仲良くするだけなのです。
また、アッチ系に積極的な人妻も実在しないと考えた方がいいでしょう。理由はこれまた現実的なのですが、そんな性格な人妻は高確率で不倫をする危険人物だからです。人妻でなくても常にリードしてくれるお姉様なんてのも危ないですね。行動力高め=浮気率が高いに直結してしまいます。
ヒットを出さねばならない、コンテンツを提供するジレンマ
では、このように現実では起こり得ない理想を作り続ける人たちは、この状況をどう考えているのでしょうか。
現実と夢の切り分けが難しいオトナが多発しても全ては自己責任なので、本来は提供する側が心を痛めることではありません。とはいえ、過度に切り分けられない人々を見ていると作り手は「自分が作り出したものは、世の中に害をもたらしているかも」と苦しくもなるのです。
とくに筆者が心を痛めるのは、オトナ向けビデオの見過ぎで犯罪に走ることです。これこそまさに現実との見境がつかなくなった結果ですが、供述が「女性が喜ぶと思った」や「気持ちを抑えられなかった」だと、過去出演した自分も犯罪を助長したのだろうかと考えてしまいます。
よくSNSではビデオそのものを失くせという声があがるものの、コンテンツを欲するユーザーがいて、提供することで生活している人もいます。ヒットを出すためには「オタクに優しいギャル」なんて特殊なキャラクターや設定を生み出さねばならないのです。
これらの問題を解決するには、クリエイターが行き過ぎたモノを作ってはならない一方で、受け取る側もそれなりのリテラシーを持つべきでしょう。「こいつらはハナから実在しない存在だ!」と強く思いながらコンテンツに触れるのはつまらないものですが、きっぱりと割り切って、コンテンツも現実もどちらも楽しんでいきたいものです。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。