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野菜や果物の「盗難被害」……生産者の嘆き、被害金額50万円以上が1割近くも 約半数が「警察に相談せず」その理由は?

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

丹精込めて育てた農作物が、収穫の直前に盗まれる——いま、全国の生産現場で「作物の盗難被害」が深刻な問題となっています。産直通販サイト『食べチョク』を運営する株式会社ビビッドガーデン(東京都港区)が実施した「盗難被害」に関する実態調査によると、生産者の約半数が「盗難被害(疑い含む)」を経験していることが判明しました。

調査は、同サイトに登録している全国の生産者179人を対象として、2026年7月にインターネットで実施されました。

警察庁の統計によると、農作物の窃盗被害の認知件数は年間2000件を超える水準で推移しています。一方、認知件数に対して検挙件数は少なく、2024年は認知件数2201件に対し検挙件数は955件、検挙率は43.4%にとどまっています。

そこで、まず「生産物・漁獲物・資材等の盗難被害の経験」について聞いたところ、全体の43.5%が「盗難被害の経験がある」と回答し、「盗難か紛失か判断がつかない」(6.7%)を含めると50.3%に達することがわかりました。

さらに、被害経験者のうち、73.1%が「2回以上」の被害を経験(5回以上も37.2%)していることが判明。

「被害に遭ったタイミング」としては、60.3%が「収穫期間中」に発生しており、「7月」(16.5%)が最も多くなっています。

続けて、「2024年以降の被害で盗まれたもの」を聞いたところ、「収穫前の生産物(畑・樹上)」(60.3%)が畑や樹上から盗まれるケースが6割を占め、最も多い被害形態となっています。

また、「被害の発生場所」については、「畑・田」(46.8%)と「果樹園」(32.2%)で約8割を占めました。

「被害の発生時間帯(推定)」では「深夜」(24.4%)や「日中」(11.5%)などの回答が挙がった一方、「不明」(33.3%)や「未回答」(21.8%)といった回答で過半数を占めています。

「被害金額(推定)」は「〜5万円」(39.7%)の少額ケースが多い一方で、「50〜100万円」(6.4%)、「100〜300万円」(1.3%)、「300〜500万円」(1.3%)など、50万円以上の高額被害を受けた生産者も一定数存在し、経営に大きな打撃を与えるケースも見られます。

さらに、「盗難被害による経営・生活への影響」を尋ねたところ、「精神的な苦痛・不安が続いている」(54.4%)、「出荷・取引先対応に支障が出た」(19.0%)、「借入・資金繰りが悪化した」(8.9%)、「廃業・離農を検討している」(2.5%)といった意見が挙がり、経済的損失にとどまらず精神面への影響が大きいことがうかがえました。

そこで、「盗難被害について警察に相談・通報しましたか」と聞いたところ、「していない」と回答した生産者は47.4%に達しました。さらに「通報したが事件化しなかった」(30.8%)を合わせると、全体の約8割が実質未解決のまま終了しています。

相談・通報した場合でも「犯人が捕まっていない」との回答が47.5%を占めており、立証の難しさや現場の諦め感が背景にあると見られます。

次に、「現在実施している盗難対策」を尋ねたところ、「柵・フェンス・施錠」(30.2%)や「防犯カメラ」(27.9%)が上位に挙がったものの、最も多かった回答は「特に対策していない」(36.3%)でした。

また、「盗難対策にかけている年間の費用」としては、「費用はかけていない」(47.5%)が約半数を占めた一方、「10〜30万円未満」(2.2%)や「50万円以上」(2.8%)を投じている生産者も一定数存在し、対策コストの二極化がうかがえます。

「対策を進めるうえでの障壁」については、「費用・コストが高い」(63.9%)が突出して多くなったほか、「電源・通信環境がない」(35.6%)、「農地が広大で対策が困難」(33.3%)といった意見も見られ、広い農地での防犯カメラ設置や見回りには莫大な費用や手間がかかる上、畑には電源やWi-Fi環境がないことも多く、個人レベルでの対策には限界があることが示されています。

なお、盗難による収入減を補償する「農業経営収入保険(収入保険)」への加入率は25%にとどまり、実際に保険補償を受けたのはわずか1人でした。

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