もしも「空気を売る」という人がいたら、多くの人は冗談か詐欺だと思ってしまうかもしれません。しかし本当に「空気」を商品として販売していたら、どんな空気が売れるのでしょうか。そんなユニークな発想を描いた漫画『空気を売る人』(作:さとう海松さん)がpixivで投稿されました。
それは、とある居酒屋で飲み会が始まったときのことです。集まった男女がそれぞれ自己紹介をはじめます。主人公のまさとは、個人事業主としてオンラインショップで「空気」を販売していると自己紹介しました。
女性たちは「く...空気?」「空気なんて売れるのー?」と半信半疑です。しかし、まさとは空気を閉じ込められる特殊な瓶を取り出し、「冬の空気を詰めておけば、夏に開けると涼しく感じられる」と説明します。
さらにオンラインショップには、「外国の空気シリーズ」としてイギリスやフランスの空気、「懐かしの空気シリーズ」として学校やプールの匂いなど、個性豊かな商品が並んでいました。興味津々になった女性たちは、思わず話に引き込まれていきます。
すると、自分よりもまさとに注目が集まっていることに嫉妬した友人が、冗談交じりに「空気の話して女の子食いつかせて、このあと"くうき(空気)"だな!?な~んつって」と言いました。この冗談を言った友人は大笑いしていたものの、他の参加者は静まり返ってしまいます。
その瞬間に、まさとはすかさず空の瓶を取り出し、その場の空気を瓶に閉じ込めながら「スベッた空気を詰めた」と笑顔で話しました。飲み会参加者はこの様子を見て「そんなの売れるの?」と驚きますが、まさとは「こういうのが案外売れんだよ。絶対需要あるから!」と言い切ります。
場面は変わり、ある学校の全校朝礼中のこと。生徒たちはおしゃべりに夢中で、校長先生の声は誰にも届きません。教師が「おーい!静かにしろ!」と注意しますが、校長先生は慌てる様子もなく、胸元からひとつの瓶を取り出しました。
ゆっくりとふたを開け、中の空気を生徒たちに向かって放つと、それまで騒がしかった会場は一瞬で静まり返りました。校長先生は満足そうに「はい、静かになりましたね。では始めます」と笑顔で朝礼を始めます。
その瓶には、「すべった空気」のラベルとともに、「効能・一瞬でその場が静まり返ります」と書かれていました。
読者からは「なんて新しい発想だ。懐かしい空気シリーズいいなぁ」や「空気に価値があるなんて思ってなかったから、ハッとしました」など斬新な発想に驚いた声が多くあがっています。そんな同作について、作者のさとう海松さんに話を聞きました。
一見いらないものでも、必要とする人がいてそれが商売になる面白さを描きたいなと
ー同作を描こうと思われた理由やきっかけについて教えてください。
何か短い話を書きたいなと思ったときに、こういう職業があるとどうなるかなと想像してかきました!
他にもいろんなお店を想像したのですが一番書きやすかったのが空気を商品化することだったのでこちらを書きました。
ー「スベッた空気」が実際に商品として登場する展開もとても印象的でした。「空気の商品化」に込められた思いや遊び心がありましたら教えてください。
自分が空気を買うとしたらどんなものを買いたいか考えたら色んな国の空気の香りを買いたいなと思い、それを少し漫画の中に織り込みました。
スベッた空気という、一見いらないものでも、必要とする人がいてそれが商売になる面白さを描きたいなとおもいました。
― 同作を含め、独創的な設定の作品が多いと感じています。こうした発想はどのようなところから生まれるのでしょうか。また、作品づくりで大切にされていることがございましたら教えてください。
発想はイラストや絵を見て浮かぶことが多いです。色んなイラストを眺めてそこから思いつくことが多いです。作品作りで大切にしているのは読みやすさですかね…!
あまりストレスがなく読めるようにしようと心がけています。
<さとう海松さん関連情報>
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