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詐欺や押し売り…インドに疲れた貧乏旅 最終日、寡黙なリキシャの運転手に労いの大盤振る舞い そして奇跡のようなシーンを目撃した【漫画】

海川 まこと 海川 まこと

海外旅行をよくする人からすると、インドはエネルギーに溢れていてカオスな雰囲気が魅力だそうです。ただ、インド独特の価値観に激しいカルチャーショックを受けてしまう人は多いかもしれません。漫画家の武村沙紀さんも、そんなインドカルチャーに強いショックを受けた1人で、noteに投稿された作品『インドで最も美しかったものの話』では、彼女のインドでの実体験が描かれて注目を集めています。

インドを旅行していた作者は、旅行中に詐欺師に8万円を騙し取られたり、それを取り返したりしたことから、疲労がピークに達していました。それから数日間は、どこも観光をすることなく、ゆっくりと過ごすことに。しかし、あと1週間で帰国することを意識すると、急に観光への意欲が沸いてきます。それを宿の主人に相談すると、専属のリキシャーを手配してくれました。

リキシャーとは日本の人力車を語源とした移動手段で、自転車タイプの『サイクルリキシャー』とエンジン付きの『オートリキシャー』があります。

作者はオートリキシャーを手配してくれたと思っていましたが、なんと現われたのは男性ドライバーが人力で漕ぐサイクルリキシャーでした。目的地まで片道1時間の距離でしたが、彼は一言も話さずリキシャーを漕ぎ続けたのです。

その後もこのドライバーは、4日間に渡って作者を乗せたリキシャーを黙々と漕ぎ続け、移動をサポートしてくれました。彼は他のインド人と違って寡黙であり積極的に話しかけてこないため、それがインドの地では珍しかったこともあり、作者は彼が漕ぐリキシャーを心地よく感じていたのです。

そして最終日に、作者は4日分のリキシャー代として、帰国までに必要な最低限のお金以外の余りをすべて彼に渡します。これは気を抜けば誰かに騙されてしまいそうなインドの地で、彼に助けられたことへの感謝の気持ちで、相場の5倍の金額でした。

無表情な彼も喜んでくれることを期待して渡したものの、彼はいつも通りの無表情でそれを受け取ります。この反応に作者は、彼が喜ぶ姿を期待していたことが恥ずかしくなり、慌てて空港へと向かいました。しかしその途中で、ふと彼の方を振り返ると、そこには作者が渡したお金を顔に当て、天に向けて感謝の祈りを捧げている彼の姿がありました。

予想だにしない反応に涙を流すほど感動した作者は、“あんな風に祈ることができるっていいな”と思うのでした。

読者からは「感動大爆発でした〜 」「素敵…!」や「偽札なのか、透かしてみてるのか…と思ってしまいました…」など、さまざまな声があがっています。そんな同作について、作者の武村沙紀さんに話を聞きました。

ひたすらリキシャーを漕ぐ彼が心配になりました

ーこの漫画を執筆されたきっかけについて教えてください。

昔インドに行った時の体験が、良い部分も悪い部分も強烈だったので、これまでにも幾つかのエピソードを文章や漫画で描いてきました。“インドで最も美しかったものの話”もずっと描きたかったので、描けてとてもスッキリ満足しています。

ー漫画を投稿された後、周囲や読者の方からどのような反響がありましたか?

大きな反響を頂けて嬉しかったです。

泣いたとの声をちらほら頂いて、なんと感受性が豊かなんだと驚くと同時に、私の感じたものをそのまま漫画に置けたのだと思って嬉しくなりました。

“観光名所よりも人が記憶に残る”と言っていた方にはとても共感し、世界中で良い出会いがあることに胸が躍りました。

ーリキシャーに乗っている間、ドライバーの後ろ姿を見ながらどのようなことを考えていらっしゃいましたか?

リキシャーに乗る時は基本的に“本当に目的地に向かっているか”“怪しげな道に入っていないか”と緊張し気が張っていました。しかしこの時は、ひたすら彼が目的地に向かっているのがだんだんわかってきてスーッと気が楽になりましたね。

その後は、「疲れてないかな…」とひたすらリキシャーを漕ぐ彼が心配になりました。

ーお金に対して感謝の祈りを捧げているドライバーを見た時、どのような感情を抱きましたか?

とてつもない衝撃で、気がついたら涙が出ていました。それと同時に、“なんだ、私は今何を見た!?”と見た光景と自分の感じたものをたくさん考えました。これは忘れちゃいけない、と何度も光景を思い出し反芻したのを覚えています。

ーインドでは様々なご経験をされたかと存じますが、また訪れてみたいと思われますか?

1人での貧乏旅行でインドはもう満足したので、もし再びインドに行くとしたら、誰かと一緒に、あまり貧乏でない旅行にしたいです。

<武村沙紀さん関連情報>
▽note
https://note.com/norasaki
▽X(旧Twitter)
https://x.com/nora_sakiT

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