「打ち合わせ終了したけど、帰って欲しくないの図」
そんなコメントとともにXへ投稿された1本の動画が、多くの人を笑顔にしています。
動画に登場するのは、同人誌専門印刷会社・しまや出版(東京都足立区)の「癒し課」にて研修中のインターンシップ生・ショコラちゃん。打ち合わせを終えて帰ろうとするお客さんのカバンの上にちょこんと乗り、そのまま「まだ帰らないで」と言わんばかりに甘える姿が話題となりました。
再生回数108万回を突破した、この投稿には「これは帰れない」「仕事どころじゃない」「営業妨害ではなく営業促進ですね」「私もこの会社に打ち合わせに行きたい」といったコメントが寄せられ、多くの人がショコラちゃんの愛らしい姿に癒やされています。
今回の投稿について、しまや出版代表で「癒し課」を運営する小早川真樹さんに話を聞きました。
猫好きのお客さんには必ず“癒やし業務”
動画が撮影されたのは、印刷機材や商材を納入している販売代理店の営業部長との打ち合わせ中でした。
「その方はご自宅でも猫を2匹飼っていて、癒し課メンバーのことも大好きなんです。その気持ちが伝わっているのか、来社されると必ず誰かが癒やし業務を始めてくれます」
数日前に投稿された茶トラ猫・サクレくんの動画でも、甘えていたのは同じ営業部長。さらに黒猫のおはぎちゃんは、その営業部長の指だけを時々甘噛みするそうで、「ほかの方にはあまりしないので不思議ですね」と、小早川さんは笑います。
この日も打ち合わせが終わり、営業部長が資料をカバンへしまった後に雑談をしていると、ショコラちゃんがすっとカバンの上へ。あまりにも自然な行動だったため、小早川さんはあわてて動画を撮影し始めたといいます。
「抱っこされた瞬間にゴロゴロ」
ショコラちゃんは、生後10カ月ほどの女の子。気分屋な一面もありますが、とにかく人が大好きな性格で、自分から甘えにきて抱っこされると、その瞬間にのどをゴロゴロ鳴らすそうです。
昨年夏、千葉県館山市の漁港近くで、きょうだい猫のフォンくん、ダンくんとともに捨てられていたところを保護されました。保護したのは、現在癒し課で活躍するサクレくん、おはぎちゃんを保護した方でした。
「この3匹は癒し課の見習いをさせたら、いい仕事をする」
そんな言葉をきっかけに、昨年12月、3匹そろって「癒し課インターン生」として迎えられました。フォンくんもダンくんも人懐っこく、来客があると真っ先に近寄っていき、先輩猫に負けない接客ぶりを見せているそうです。
社員、お客様、SNS…3つの“癒やし業務”
しまや出版の「癒し課」には、明確な仕事内容があります。1つ目は社員を癒やすこと。2つ目は来社したお客様を癒やすこと。そして3つ目は、SNSを通じて全国の人たちを癒やすことです。
「理解しているのかどうかは分かりませんが、とにかく人が大好きなので、自然と人に寄っていって癒やしてくれるメンバーばかりです」
現在はユキ主任をはじめ7匹の社猫が、正式メンバーとして活躍。そのほか、ショコラちゃんたち3匹はインターン生として勤務しています。
野良猫2匹から始まった「癒し課」
「癒し課」が誕生したきっかけは、会社の前を通るトラックでした。会社の前は抜け道となっており、交通事故に遭う野良猫を何度も目にしてきたといいます。
社員になついていた野良猫「とら」と「タンタン」を「不幸な目に遭わせたくない」と社内へ迎え入れたのが始まりでした。
2008年ごろに保護された2匹は室内生活にも慣れ、2010年2月22日に正式な社猫となると同時に「癒し課」が発足。とらが主任、タンタンが副主任として正式に配属されました。以来、社員や来客、そしてSNSを通じて全国へ癒やしを届ける活動を続けています。
なお、ショコラちゃん、フォンくん、ダンくんの3匹は現在インターン生ですが、この夏、新たに「癒し課」を立ち上げる予定の会社へそろって迎えられることが決まっているそうです。
たくさんの人を笑顔にしてきた“癒やしのプロ”たち。その活躍の場は、これからさらに広がっていきそうです。