「思わず2度見した。
なんて素晴らしい駅だ」
筑波大学地理愛好会の会長として活動されているヒデさん(@Kaihotu)が、サークル活動で訪れた土地にて、驚くべき光景を目の当たりにしました。
なんと、駅の改札のすぐ横に、温泉の入口を発見したのです。
温泉があった駅は、山形県東置賜郡高畠町にあるJR東日本・奥羽本線の「高畠駅」。意外な組み合わせに、ヒデさんは思わず二度見してしまったといいます。
温泉だと聞いていたのに、着いたら駅!?
2026年7月某日。この日、ヒデさんは、地理愛好会の活動として、江戸時代に奥羽街道と羽州街道を結ぶ脇街道として栄えた「山中七ヶ宿街道」の巡検を行っていました。
城跡や街道といった歴史的なスポットを巡った後、旅の疲れを癒そうと、20時頃に温泉のある高畠町の施設「太陽館」を訪れたといいます。
しかし、その場に来て、ヒデさんは困惑してしまいました。なぜなら、温泉と聞いていたのに、到着したのは駅だったためです。その時、同行者から、駅の構内に温泉があるという衝撃の事実を聞かされたのでした。
いざ浴室に入ってみたところ、浴室には5人の地元の方と思しき人たちがいました。対して、ヒデさんたちサークルのメンバーは7名。10人以上が湯舟に入ることになりましたが、特に手狭になったという印象はなく、のんびり過ごせたといいます。
浴場には内湯のほか、サウナや水風呂もあり、設備も充実。風呂も程よい湯温で、30分ほど入浴したとのこと。
駅に温泉があるという状況に驚いたものの、結果的にゆったりくつろげ、良い旅の締めくくりを迎えることができたようですね。
そんなヒデさんのX(旧Twitter)の投稿に対し、リプ欄を通じてたくさんの反響が。実際に同所を訪れたことがある方からのコメントもありました。
「ただの駅じゃない、ここは旅の最終目的地だ」
「駅と直結ってのがまた良いですね」
「これ東京駅に欲しい」
「3年前にお伺いたしましたがまったりステキな場所でしたよ~(^^)」
「温泉にゆったり浸かったあと、すぐ新幹線に乗れる素敵な駅ですよね…!」
「構内には焼き肉屋とホテルもありコスパ最高です」
「また行きたい場所(駅)です」
きっかけは新幹線開設に伴う住民たちの願い
ヒデさんが訪れた高畠町太陽館は、JR高畠駅としての駅舎機能を備えた、温泉付きの総合コミュニティー施設です。
それでは、なぜ駅構内に温泉を作ることになったのでしょうか…?
一般社団法人 高畠町観光協会・専務理事であり、太陽館の館長である土屋浩二さんにお話をうかがいました。
土屋さんによると、太陽館が開設されたのは1992年(平成4年)、山形新幹線開業に合わせてのことだったといいます。
もともと、高畠駅は糠野目(ぬかのめ)駅と呼ばれており、長らく無人駅(1983~1991年)でした。
ところが、山形新幹線の開設にあたり、「高畠町に新幹線を止めたい」という声が上がります。
「高畠~仙台100kmだるまリレーマラソン」が実施されたり、「山形新幹線受入促進町民大会」に3300人の町民が参加したりするなど、奇抜なアイデアのもと官民一体となった推進運動が展開され、メディアにも連日取り上げられました。
さらに、地域の注目度を上げるためには、近隣の駅に引けを取らないインパクトのある施設整備を行い、集客能力を上げることも必要です。
「そこで、『温泉付きの施設を造る』というアイデアが上がりました」(土屋さん)
高畠町には源泉が湧くスポットが数ヶ所ありました。駅からほど近い場所にも、源泉の温泉施設が。そこで、その場所から駅まで温泉の湯を引っ張ってくる計画が立てられました。
温泉の開設を通じて、駅の魅力をアピールする。そんな努力が実り、高畠駅(1991年に糠野目駅から改称)は無事、新幹線の駅に指定されることになりました。
高畠駅の希望のシンボルでもある太陽館。
建物は、同町の出身者に『泣いた赤鬼』などの作品で知られ「日本のアンデルセン」という異名ももつ児童文学作家・浜田広介氏がいることにちなみ、メルヘンチックなお城のような雰囲気の外観に。
その他、ホテルやレストラン、売店なども運営されており、温泉以外にも楽しく過ごせる総合施設となっています。
高畠町の魅力をぜひ味わいに!
「多分、全国的にみても、駅の改札から一番近い温泉だと思います」
太陽館の温泉施設について、土屋さんはこのように話します。
温泉を利用されているのは、地元の方がもっとも多く、一日の終わりに疲れた身体を癒しに来られる方や、夜勤明けで早朝に入りに来る方もいるとのことです。その一方で、地元以外の方や、遠方から来られる方も。
「ビジネスで度々来られている方もいれば、(太陽館について)事前に調べて来られる方もいます。また、来てはじめて温泉があると知る方もいて、『こんなところで温泉に入れるなんて』と喜ぶ声もあります」(土屋さん)
さまざまな方が、各々の目的をもって訪問する高畠町や太陽館。ここで、改めて高畠町の魅力について、土屋さんにおうかがいしました。
「高畠駅を起点に、レンタサイクルでいろいろなスポットを巡ることができます」(土屋さん)
高畠石の採石場であり絶景スポットとしても人気のある「瓜割石庭公園」や、その高畠石を使用した「旧高畠駅」駅舎など、サイクリングロードに沿ってさまざまなスポットを巡ることができ、また日本三文珠の一に数えられる「亀岡文殊」もオススメだといいます。
「まずは高畠に来てみて、その魅力をぜひ体感していただきたいです。いろいろと巡った後、太陽館に戻って温泉に入るのもオススメです」(土屋さん)
◇ ◇
ヒデさんが会長を務める筑波大学地理愛好会は、100人以上の会員がいる大きなサークルで、メンバーたちが各々の興味に沿って自由に学び楽しめる場であるといいます。
今回は、七ヶ宿街道巡検のなかで、山形の高畠町に行きつきました。
百聞は一見に如かずともいいますが、その土地を実際に訪れてみて、はじめて知ることができるものがある――それが旅の醍醐味といえるでしょう。
■ヒデさんのX(旧Twitter)はこちら
→https://x.com/Kaihotu
■一般社団法人高畠町観光協会の公式ホームページ「たかはたポータルZ」はこちら
→https://takahata.info/
■高畠町太陽館の詳細はこちら(「たかはたポータルZ」内)
→https://takahata.info/taiyokan/