幼い子ども同士のトラブルは珍しくありません。しかし、その何気ない一言が何年たった今も忘れられない…。今回は、発達がゆっくりだった娘さんを育てるAさんに、公園で体験した出来事について話を聞きました。
娘の発達がゆっくりで、周りと比べて焦っていた
──当時のお子さんはどんな様子でしたか?
幼稚園に入る前で、娘は同年代の子と比べると発達がゆっくりでした。言葉が遅めで、表情もあまり豊かではなく、感情を表に出すことが少ないタイプでした。「このままで大丈夫かな」と、いつも不安を抱えていました。
実際、発達への不安を抱える保護者は少なくありません。発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」によると、「我が子の発達の遅れを気にしたことがある」と答えた人は全体の9割に上ります。
Aさんもまた、その一人でした。
「ばい菌」と言われ、遊びにも入れてもらえなかった
──その日は何があったのでしょうか?
公園で、ママ友2人とその子どもたちと遊んでいました。その子たちは、大人顔負けなくらいおしゃべりが達者で…でも、あまり話せない娘を遊びに入れず、「ばい菌」と言って笑っていたんです。
娘が近づくと、手で制して遠ざけるようなしぐさまでしていました。親同士は話に夢中で、その様子にはまったく気付いていませんでした。
──胸が痛みますね…。
はい…。娘はうまく話せなくても、自分が嫌がられていることは理解できます。唇をぎゅっと結び、何も言わずにその状況を耐えていました。さすがに見過ごせず、私は子どもたちに声を掛けました。
「ねえ、お友達に『ばい菌』って言うのは、よくないと思うよ」
すると返ってきたのは
「は? 友達じゃないし」
という言葉でした。とても3歳前の子どもの口から出た言葉とは思えず、心が折れそうになりました。それでも、もう一度だけ聞いてみたんです。
「じゃあ、これからも遊んでくれないのかな?」
すると、一人の女の子は迷いなく言いました。
「まあ、そういうことだね」
その年齢でそんな言い回しをすることにも驚きましたし、あまりにもはっきり拒絶されたことに、言葉を失いました。
ショックは受けたけど…
──当時はどんなことを考えましたか?
言われたことは正直ショックでしたし、ここまで発達に差があるのか、と焦る気持ちもありました。それに、やはり会話のレベルが違えば一緒に遊びたくない、と思う気持ちもわからないではないな…と。でも同時に、「こんな方向に言葉が達者なのも、それはそれで嫌だな…」とも思いました。
当時は娘の発達ばかりを気にしていましたが、本当に大切なのはそこではないのかもしれない…。その後もママ友たちから何度かお誘いがありましたが、娘の気持ちを考えるともう一緒に過ごすことはできないと思い、徐々に集まりからフェードアウトしていきました。
風の噂で聞いた、その子たちの今
──その後、その子たちは?
小学校に上がってから風の噂で、その子たちは学校でもいじめっ子として、あまり良く思われていないと聞きました。
もちろん、噂だけで人を判断することはできません。ただ、公園での出来事を思い返すと、「あの頃から片鱗はあったのかな」と複雑な気持ちになりました。
娘はその後、自分のペースで少しずつ成長し、気の合う友達にも恵まれ、楽しく学校生活を送っています。あの日の出来事を思い出すたび、発達のスピードよりも、人を思いやる気持ちを育てることの方が、ずっと大切なのではないかと感じています。
【出典】
▽株式会社LITALICO「LITALICO発達ナビ」
http://h-navi.jp/
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