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風呂上がりに綿棒で耳奧グリグリ快感 詰まったような自覚症状にビビって耳鼻科を受診したら…積年の耳垢がとんでもないことに!【耳鼻咽喉科専門医が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

Aさんは、毎日お風呂上がりに綿棒を使って耳の掃除をするのが日課です。耳の奥まで触る感覚が心地よく、いつも5分ぐらい耳掃除に時間をあてていました。

耳掃除をしたあとは綿棒に何もついてこないため、Aさんは「自分の耳の中は清潔に保たれているはずだ」と安心しきっています。ところが最近になって、右耳の奥がチクチクと痛み出すようになりました。最初は気のせいだと思ってやり過ごしていましたが、徐々に耳が詰まったような感覚になり、音も少し聞こえづらくなってしまいました。

不安になったAさんは慌てて耳鼻科を受診したところ、耳垢が奥のほうでカチカチに固まって詰まっていると判明したのです。さらに、耳の中を触りすぎたことで外耳炎を起こしているとも告げられます。

実はAさんのように、耳掃除が原因でかえって耳を傷つけたり、不調を招いたりする人も少なくないそうです。では、なぜ耳掃除がこのような事態を招いてしまうのでしょうか。耳鼻咽喉科専門医で、茨城県水戸市・なのはな耳鼻咽喉科院長の境修平さんに話を聞きました。

2~4週に一度耳をチェックし、必要であれば耳かきを使用するのがおすすめ

―耳掃除を頻繁におこなうことで、どのようなリスクが起こり得るのでしょうか

耳掃除を頻繁にやりすぎると、外耳道の皮膚を傷つけてしまい、結果として外耳炎を引き起こし耳漏がでたり痛みがでたりします。また、綿棒で耳垢を押し込むリスクもあり、結果として耳垢がつまる「耳垢栓塞」という状態になります。

―もしAさんのように耳垢が奥でカチカチに固まってしまった場合、どのような症状が起きますか。耳垢を自力で取り出すことは困難なのでしょうか?

耳垢が奥で詰まってしまうと、Aさんのように「耳がつまる」「聞こえづらい」といった症状がでます。自覚症状が出るくらい耳垢が詰まった場合は、自分でとるのがほぼ困難な状態になっていると考えてよいです。その際は必ず耳鼻咽喉科を受診し、適切な処置を受けてください。

―耳掃除は、本来どのぐらいの頻度でおこなうべきなのでしょうか?

まず、耳垢はカサカサと乾燥した「乾性耳垢」と、ベトベトと湿った「湿性耳垢」の2タイプがあり、多くの日本人は乾性耳垢となります。

乾性耳垢は、耳掃除について「自然に排出されるからとらなくてもよい」というのが最近の見解です。一方で学校検診をやっていますと10人に1人くらいは耳垢がつまっており、鼓膜の所見がとれないというのが実際です。そのため、2~4週に1度くらい見える範囲で耳垢がないかチェックし、耳垢があれば掃除することをおすすめします。

湿性耳垢の場合は、耳掃除が必要な頻度はかなり個人差があります。基本は同じ2~4週でよいと思いますが、詰まる人は1カ月で詰まることもあるので難しいところです。

―正しい耳垢の掃除方法も教えてください

個人的には、綿棒よりも耳かきをおすすめしています。綿棒で上手に取れる人は問題ないのですが、前述のごとく綿棒で奥に押し込んでしまう人も多いからです。

深さについては、成人の外耳道の長さが3センチ程度とされており、理論上耳垢は手前半分(耳の穴から1.5cm)にたまります。そのため、おおむねそれくらいの深さまでやれば十分です。それより奥は、痛みが強くなる部位ですので触らないようにしましょう。

耳掃除の時間に明確な定義はありません。やりすぎなければ問題ありませんが、目安とすると1分から長くても2分といったところです。

また、湿性耳垢の場合、少量であれば綿棒でからめとるのが一番楽です。ある程度量が多くなってくると、綿棒だと押し込むリスクがあるのでその場合は耳かきのほうがよいと考えますが、これも一概には言えないのが現状です。

耳垢栓塞を放置していると、プールに入ったときに外耳炎になったり、急性中耳炎になったときに診断ができなくなったりと、色々不便があります。ご高齢のかたの突然の難聴も、耳垢栓塞が原因の場合があります。そのため、耳垢栓塞はなるべく放置せず、「聞こえづらいな」と思ったらすぐに耳鼻科へ向かいましょう。

◆境修平(さかい・しゅうへい) 医師/耳鼻咽喉科専門医/茨城県水戸市・医療法人三香会なのはな耳鼻咽喉科院長
筑波大学医学専門学群卒。一般の耳鼻咽喉科診療に加えて、漢方治療も積極的におこない耳鼻咽喉科領域の漢方治療についてWebなどでセミナーを積極的におこなっている。またアレルギー性鼻炎に対して積極的なレーザー治療をおこなっており年間250例以上の施術実績を誇る。
▽なのはな耳鼻咽喉科公式ホームページ
https://nanohana-jibika.com

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