日本を訪れる外国人観光客が年々増加していますが、観光地周辺の住人への影響は良いものばかりではないようです。あさのゆきこさんの漫画『インバウンドと私』では、作者が町内会の仕事でインバウンド需要の影響を受けたエピソードが描かれています。同作がX(旧Twitter)に投稿されると、7000以上のいいねが寄せられました。
あるとき、京都で暮らす作者は町内会費の回収を任されます。古い町内なので住人はもちろん、企業やコンビニ、カフェもすぐに集金に応じてくれました。
しかし、ひとつだけ問題がありました。それは町内に新しくできた宿泊施設と連絡が取れないことです。その宿泊施設は遠方に住む経営者が営業しているようで、オーナーや管理人が常駐していないのです。
建物の入口で宿泊者用の連絡先を見つけて電話してみましたが、呼び出し音が鳴るばかりでつながりません。何度か掛け直すとつながりましたが、「オーナーが不在なので折り返します」と言われたまま、2週間音沙汰がありませんでした。
宿泊施設と連絡が取れない中で、作者は町内会費を取り立てようとする自分たちがおかしいのだろうかと考え始めます。考えてみれば、宿泊施設が町内会に入っても、町内会が宿泊施設に対してできることは何もないのです。蓋付きのゴミ箱が設置されているのでカラスがゴミを荒らされる心配はありませんし、お葬式をする時に困ることもありません。
しかし、もし宿泊施設の利用者が地域の住民とトラブルを起こしたらと作者は想像してみると、おそらくオーナーは利用客をかばうでしょう。そうなると、トラブルに巻き込まれた住民は泣き寝入りしてしまう可能性があります。作者は住民と関わりを持たない宿泊施設に不安を感じながら、町内会費の取り立てを諦めるのでした。
読者から「宿泊施設も地域の一員なのに」「町内会に入る義務はない」など、さまざまなコメントが集まりました。そこで同作について、作者のあさのゆきこさんに話を聞きました。
宿泊施設にも周辺住民と関わりを持ってほしい
ーこの作品を描こうと思ったきっかけを教えてください。
私は京都に住んでいるのですが、毎日あまりにも多くのインバウンド客に遭遇するので、その経験を描こうと思ったのがきっかけです。
ー読者の方からはどのような反応がありましたか?
私の描いた不安や不満に共感してくださるコメントが多かったです。
ー取り立てを始めてから諦めるまでの期間と、取り立てる中で1番大変だったことを教えてください。
1カ月くらいでした。大変だったことは、とにかくオーナーに電話が繋がらないことです。これが町内会費の取り立てではなく、本当にトラブルがあった場合どうするのか不安になりました。
ーあさのさんは遠方に住むオーナーが運営する宿泊施設に対して、地域の住人とどのように関わってほしいと考えていますか?
オーナーさんには周辺の住人に挨拶をしていただきたいです。また、管理人や従業員の方が常駐しないのであれば、トラブルがあった時にいつでも繋がる電話番号を教えていただければと思います。
<あさのゆきこさん関連情報>
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