愛娘の感想が楽しみだ。
福井県・若狭和田ビーチを舞台にした映画『ライフセーバー!』で、“21世紀の石原裕次郎”こと俳優の徳重聡(47)がライフセービングクラブのリーダー・立石を演じている。
一般人も勘違い
筋骨隆々。ライフセーバーとして浜辺に佇む徳重の姿は本物のそれと見まがうばかり。
「撮影中に一般の方から声をかけられて車いすを運んだこともあります。本物のライフセーバーと勘違いされたんです。まあ格好も格好ですから」
そんな恐縮を打ち消す、アラフィフとは思えぬ引き締まった肉体。5カ月の役作りを経て生み出されたものだという。
「ライフセーバーの方々の写真や映像をリサーチする中で一番に目が行ったのは、鍛え抜かれた背中でした。胸筋や腹筋もさることながら、肩から背中にかけてバキバキ具合が凄かったです。日々泳いでるからこそ背中の筋肉が発達するんだと気づき、それからはひたすら懸垂。自分の肉体の衰えに愕然としながらも、最低でも10回3セットは出来るようにひたすら鍛え続けました」
撮影期間中も現役の若いライフセーバーと混ざってパンプアップ。近隣で「若狭和田ビーチで早朝から体を鍛えている謎の男がいる」という噂も流れたほどだった。
福井県で“大谷”目撃
実際の講習を受けて挑んだ海中救命シーンでは、水泳に関してスパルタだった父親に感謝の念も生まれた。
「ボートを使用してのライフセービングは本当に大変でした。幸いにも泳ぎは得意だったので、その点は親父に感謝です。親父は小学生だった私に厳しく泳ぎを仕込んでくれました。水泳指導の最中にあれ?いない!?と思ったら海の奥へガンガン突き進んでいたり。…そんな親父でした」
若狭和田ビーチは、美しく安全な海の証である国際環境認証制度「ブルーフラッグ」をアジアで初めて取得した海水浴場。そんな場所で、徳重は多くの“大谷翔平”を目撃したらしい。
「ビーチを散歩している人やランニングをしている人たちが、ごく当たり前のように浜辺に落ちているゴミを拾う。特別にゴミ袋を持っているわけではなく、スッと拾ってポケットに入れる。その自然な姿は試合中にグラウンドのゴミを拾う大谷選手のようでした。海の安全や美しさは、ただ眺めているだけではなく住人の皆さんの日々の自発的行動によって成り立っているものだと感激しました」
本編を観ない理由
海と人の命を守るライフセーバーの奮闘を背景に、夢を持てずに迷いの中にいる主人公・勇輝(のせりん)が新人ライフセーバーとして新たな一歩を踏みだす成長物語。取材時の段階で徳重は完成作品を鑑賞していない。その理由とは…。
「この内容ならば娘にも問題なく見せられると思ったので、映画館で家族揃って観る事にしました。アクの強い役が多い私としては、本作ならば堂々と娘と一緒に鑑賞できるぞと(笑)。そういう意味でもとても恵まれた作品に出会えました」
娘からは俳優・徳重聡への感想が出ないことを期待している。
「純粋に作品としての評価が聞けて、その中に私の事がワードとして入っていなかったら超嬉しいです。たまたま観た良い映画にたまたま父親である私が出ていたと。そんな感じで娘には物語の世界に没入してもらいたいからです」
良き父親としての優しい表情ではにかんだ。