リユースショップの棚に並ぶ、きれいなランドセルがひとつ。価格は税込550円。約9割の家庭が新品を購入するというアンケート結果がある中で、このランドセルを選んだ家族の投稿がXで注目を集めました。投稿したのはNewいちろーさん(@free_Newichiro)。その投稿には、驚きの声だけでなく、共感や「考えさせられた」といった反応も寄せられました。
ランドセルを見つけたのは、家族で近所のリユースショップに立ち寄ったときのことでした。
「家族で近所のリユースショップに立ち寄った際、ひっそりと1つだけ置かれていたランドセルを見つけました。状態も非常に良く、背中側や表面にも目立った傷や汚れは見当たらず、ほとんど使用感がない印象でした」
5万円、6万円が当たり前と言われる新品のランドセルと比べると、あまりにも大きな価格差に驚いたといいます。
「機能として問題がないのに、なぜここまで新品との価格差が生まれるのかと考えるきっかけにもなりました」
購入の決め手になったのは、子ども自身の反応でした。
「子どもが背負って『これがいい』と選んだことと、中古であること以外に機能面や見た目に大きな差を感じなかった点です」
初めてランドセルを見た子どもは、すぐに背負って鏡の前へ。うれしそうな笑顔を見せたそうです。その後、ほかのランドセルも試したものの、最後まで気に入っていたのはこのランドセルだったといいます。
「本人が納得して選んだという事実が、何より大きかったです」
今回の選択は、単に出費を抑える話ではなく、「何に価値を感じるのか」を家族で考えるきっかけにもなったそうです。
「浮いたお金を何に使うかよりも、何に価値を感じるかを家族で考えるきっかけになりました」
もともとNewいちろーさん一家は、日常の中で一緒に過ごす時間を大切にしてきたといいます。
「家族で月に1日、平日に工場見学へ行ったり、祖父母と過ごす『じじばばデー』を設けたりと、日常の中で一緒に過ごす時間を大切にしてきました」
そのうえで、これからは旅行やさまざまな体験など、記憶に残ることにお金を使っていきたいと考えているそうです。
こうした考え方の背景には、「自分で選ぶ」ことを大事にしたいという思いがあります。
「世間の当たり前や固定観念に合わせて選択してきた結果、後悔した経験が何度もあります。振り返ると『選ばされていた』と感じることがあったからです」
だからこそ今は、自分の意思で選ぶこと、そして子どもにも、自分で選ぶ機会を持ってほしいと考えているといいます。
投稿には否定的な声もあった一方で、「救われた」「考えるきっかけになった」といった声も届いたそうです。
「否定的な意見も多くいただきましたが、それだけ関心の高いテーマだと感じました。感情的に反応するのではなく、なぜそう感じるのかという背景を見るように意識していました。
今回の発信で、別の選択肢があることに気づいたり、少し気持ちが軽くなったりした方がいたなら、発信した意味があったと思います」
アンケートでは、約9割が新品を購入しているという結果も出ています。Newいちろーさんは、「それが今の当たり前」だと受け止めつつ、別の選択肢が見えにくくなっている現状には、少しもったいなさも感じていると語ります。
これから「ラン活」をする家庭へ向けては、こんな言葉を送っています。
「どの選択が正しいということではなく、自分たちで納得して選ぶことが一番大切だと思います」
2027年4月、このランドセルを背負って学校へ通う姿を思い浮かべると、今から楽しみだといいます。
「新品かどうかではなく、自分たちで考えて選んだという経験そのものが価値になってくれたら、うれしいです」