梅雨の時期になると、色鮮やかな紫陽花を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。そんな紫陽花にまつわる不思議でどこか微笑ましい郵便局員たちのエピソードを描いた漫画『紫陽花守り』(作:送達ねこさん)がSNS上で注目を集めています。
物語は、「梅雨になると思い出す…俺たちが花の霊力を信じた出来事」という語りから始まります。6月のある夕方、郵便局員の古谷が紅白水引で束ねられた紫陽花を大事そうに抱え、集配部へ戻ってきました。同僚たちが「どしたの、それ」と尋ねると、古谷は「お客さんにもらったー」と紫陽花守りというお守りだと説明します。
古くから、6月の6が付く日に紫陽花を水引で巻き、高い場所へ逆さに吊るすと厄除けになる言い伝えがあるのだそうです。その話を聞いた同僚たちも、「駅前の店で見たことある」「なんで逆さ?」と興味津々です。その後、調べてみると「上向きに咲く紫陽花の霊力を切って止めて、家の中に向けるため」という説や、「紫陽花を太陽に見立てて曇りの日に家に持ち込む」という話まで飛び出します。
そんな中、古谷が「結び方はどう?これ蝶結びと丸い輪とある」と新たな疑問を投げかけます。それについても調べたところ、「通常は蝶結びだが、水引を丸く結ぶと良縁を呼ぶ」と書かれていたため、ある局員がぽつりと「彼女できるかも」と発した瞬間、集配部の空気が変わりました。
局員たちは「駐車場にごっつ咲いてたな」と騒ぎ始め、気付けば即席の「紫陽花守り」が天井いっぱいに吊るされていました。そこへやって来た部長は、一面カラフルに飾られた紫陽花守りを見て「なんじゃこりゃー!」「なんで大量に草干してんだ!? 正気かっ!?」と局員たちを叱るのでした。
部長に怒られたことで、紫陽花守りは次々と外され局員たちは肩を落とします。外された紫陽花のそばには、「カノジョができますように」と書かれた短冊まで転がっていました。それでも古谷は、「たしかに俺らは正気じゃないけど。粗末にしちゃダメだ」と真剣な表情で語ります。
読者からは「紫陽花の色が本当にきれい!梅雨でも明るい気持ちになれる」など、多くの声があがっています。そこで同作について、作者の送達ねこさんに話を聞きました。
梅雨の季節にも心晴れる楽しみを描けると思いました
ー同作を描こうと思われたきっかけがありましたら教えてください。
紫陽花守りについて教えていただき、人々の願いをお花に託すとても美しい風習だと思いました。梅雨の季節にも心晴れる楽しみを描けると思いました。
―同作のコメント欄では「季節感のあるとても面白いお話」などの声が見受けられました。こうした反響について、どのように感じていらっしゃいますか。
とてもうれしく、読者の皆様と一緒に私も紫陽花の素敵な行事を楽しんでいる気持ちになりました。
―本作を制作するうえで意識されたことがあれば教えてください。
楽しく笑って読んでいただける漫画にしたいと思いました。不思議なことへ畏敬の念を持つ反面、ワーワー騒がずにおれない郵便局員たちの会話になごんでいただけましたらうれしいです。
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