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【海のふしぎな生きもの】透きとおってるー!これはなに?「ポケモンにおなり」「ムーミン谷にいそう」

山本 明 山本 明

ハダカゾウクラゲ これがゾウでもクラゲでもなく巻貝という事実。

 海の神秘をかいま見るようなふしぎな海の生きものの写真が「X」で注目を集めました。頭部らしきものの先端はゾウの鼻のように長くのびていて、小さな瞳が愛らしく、また細長い筒状の身体は透けていてまるでクラゲのようですが、実は「巻貝」だというのだから驚きです。

「可愛い。ポケモンにおなり。」
「なんかムーミン谷に居そうですね」
「絵本でよく見るオバケが現実にいたみたいな感覚です。 かわいいぃ」

投稿には驚きの声が寄せられています。

 写真を投稿したのはかとたく(@goldfish0900101)さんです。かとたくさんは大学院でサンマの研究をしていたのだそう。現在は名古屋港(愛知県)と清水港(静岡県)を行き来するかたわら様々な海洋生物の写真をSNSに投稿しています。

 「クリオネやウミウシなどと同じ、貝殻を持たない腹足類と呼ばれる浮遊性の巻貝の仲間です!貝なのに浮遊生活に適応するため貝殻を脱ぎ捨てていることが”ハダカ”の由来です。しかし、幼生の頃は貝殻を持っていて形態も生態も不思議で魅力的な生き物です

このように話す、かとたくさんにさらにくわしくこの奇妙かつ愛嬌あふれる「ハダカゾウクラゲ」についてお聞きしました。

生涯、深海で浮遊生活

――本当に不思議な生きものですね、海の中でどのような生活をしているのでしょうか?

標準和名「ハダカゾウクラゲ」といい、黒潮水域の沖合の主に深海で終生浮遊生活を送っています。この時期、深海を有する駿河湾では季節風や湧昇流などの環境要因により深海性(※編集部注 200m以浅の中深層〜深海にかけて生息している、の意。かとたくさん談)の生き物が港や海岸に打ち寄せられることがあります。この日もそのタイミングを狙って深海魚を探していたところ、ふわふわと漂っている深海性の本種(ハダカゾウクラゲ)を見つけました。

愛くるしい見た目

――発見した時のお気持ちは。

他のクラゲやサルパ(尾索動物)と比べて前後に長い円筒形で特徴的な見た目をしていたのですぐにハダカゾウクラゲだと気付きました。つぶらな瞳でなんとも愛くるしい見た目をしており、触ってみると弾力があってこんにゃくのような質感でした。また、全身透明なため銀色の皮質に包まれた内臓核まで丸見えで驚きました。

しかし、実は貪欲な「肉食性」!!

――「中身」までまる見えなんですね…いったいどんな食生活を?

ゾウの鼻に見えるものは吻(ふん)と呼ばれていてその先端にある小さな口を使って小さなカイアシ類、クラゲ、サルパや魚の仔稚魚、卵まで何でも食べる貪欲な肉食性の浮遊性巻貝です。

「希少な深海生物の魅力」

 なお、話題になった「ハダカゾウクラゲ」のポストには記事執筆時点で「2.3万件」の「いいね」がついています。大きな反響があったことを喜ぶかとたくさん。

「かわいいという声も多く、この投稿を通して普段見ることのない希少な深海生物の魅力を多くの方に感じてもらえたことは大学院時代、海洋生物の研究をしていた身からすると嬉しい限りです」と話します。これからも魅力的な海の生きものをたくさん紹介してくださいね。

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