近年、増え続けている「墓じまい」ですが、費用はいくらくらいなのでしょうか。株式会社鎌倉新書(東京都中央区)が運営するお墓の情報サイト『いいお墓』が実施した「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2026年)」によると、実施費用は「31万円〜70万円」が最多となりました。一方、改葬・墓じまいを検討したものの、実施するのをやめた理由にはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、改葬・墓じまいを検討したことがある(している)、または実施したことがある(している)同サイトのユーザー733人を対象として、2026年1月にインターネットで実施されました。
はじめに、「改葬・墓じまいの検討理由」を尋ねたところ、「お墓が遠方にある」(52.0%)や「お墓の継承者がいない」(44.1%)に回答が集まった一方、「継承したくない」(9.8%)という心情的な理由は少数にとどまり、都市部の一極集中や少子化といった、社会構造がお墓の問題にも反映されていることがうかがえました。
また、「改葬・墓じまいの実施費用」については、「31万円〜70万円」(31.3%)、「71万円〜110万円」(18.8%)、「30万円以下」(16.8%)が上位となり、全体の約2人に1人が70万円以下で墓じまいを完了させています。
一方で「151万円以上」(14.0%)の高額層も一定数存在しており、解体する墓地の広さや、引っ越し先に選ぶ永代供養墓・納骨堂のグレードによって、費用感には依然として幅があるのが実態となっています。
次に、「墓じまい後の遺骨の引っ越し(改葬)先」を尋ねたところ、「永代供養(合祀・合葬墓)」(43.2%)が最多となり、前回調査より12ポイント以上急増。
一方で、かつて主流だった「別の墓石があるお墓(一般墓)」への改葬は14.3%(前回22.3%)と減少、「樹木葬」(24.1%)や「納骨堂」(13.3%)を含めると、継承者を必要としない供養形態を選択した人は約8割にのぼり、「次世代に管理の負担を残したくない」という意向が、供養先選びの決定的な判断基準となっていることが鮮明になりました。
また、「改葬・墓じまいをする中で大変だったこと」については、「遺骨の引っ越し(改葬)先選び」(38.8%)や「役所の手続き」(32.3%)が上位に挙がり、多様な選択肢の中から自分たちに合う供養先を見極めるプロセスや埋葬されている人数分だけ「改葬許可申請書」の記入が必要なこと、古い記録を遡る手間に加え、複数の場所(旧墓地、新墓地、それぞれの役所)との連携が必要な「仕組みの難しさ」が、心理的なハードルとなっていることがうかがえました。
最後に、「過去に改葬・墓じまいを検討したものの、実施するのをやめた」と答えた人にその理由を聞いたところ、「解体費用が高すぎた」(22.2%)、「親戚から理解を得られなかった」「手続きが面倒だった」(いずれも18.9%)が上位に挙がったほか、「先祖にうしろめたい気持ちになった」(11.1%)という意見も見られ、墓じまいが社会的に受容され、周囲の反対といった「外圧」が減った分、自分自身の価値観や罪悪感といった「内面」の葛藤で立ち止まるケースが顕在化する結果となりました。