世の中には、自己肯定感が低くて悩んでいる人が多いことでしょう。漫画家・中村あいさつさんの作品『あの人たちと私』は、そんな自分とほかの人を比べてしまう女性の様子が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約9100ものいいねを集めました。
ある日、三つ編みの主人公と黒髪の友人は、ショッピングモールにて通り過ぎる人々を眺めていました。友人は通り行く女性や少年を指しながら、主人公に「あの人は何点?」と問うと、「100点!」と答えます。その後、友人は「あなたは何点?」と聞くと、主人公は「40…?」とひきつったような表情で言いました。
主人公は「みんなのことは素敵だって尊敬できるって思うけど自分だけは思えないの」と心のうちを明かします。
すると友人からは、「自分のこと特別だと思ってんの?」という意外な答えが返ってきました。主人公は否定するものの、友人は続けて「だって自分だけみんなと違うんでしょ?」と話します。
その言葉にハッとした主人公は、皆それぞれに良いところ、悪いところがあると気付きます。そして私だけ例外なんて変であること、そして「みんなの素敵」の「みんな」に私も入るのではと思いました。
その後、動揺しながら「私も100点なのかも…」と答えた主人公に、友人は「もやもやタイム終わり!スイーツ食べ行こ!」と歩き出します。その後もいろいろと尋ねる主人公に対して、友人は「そういうたくさん考えるのもあなたの良いところよね」と返すのでした。
読者からは「素敵なお話!」「そんな考え方があったとは…」などの声があがっています。そこで、作者の中村あいさつさんに話を聞きました。
「すべての物事に優劣はない」と思ったことがきっかけのひとつ
―同作を描いたきっかけについて教えてください
普段は商業マンガを描いているのですが、このマンガは一次創作同人誌として、自分のために描いたマンガでした。「こういうことなんじゃないか?」という気づきを忘れないために、自己肯定感の低かった自分へ向けて描きました。結果として、SNSでたくさんの方に共感していただけて、とてもうれしかったです。
―「自分だけは素敵だって思えない」を「自分のこと特別だと思ってる」という考え方は、いかにしてそのように考えに至ったのでしょうか?
4年前に描いたマンガなので、詳細を覚えていないのですが…。「すべての物事に優劣はない」と思ったことがきっかけのひとつだったと思います。それについては以前描いた『解』というマンガに描かれています。また、私のマイナス思考をいつも笑い飛ばしてくれる知人がいるのですが、その人との会話の中で、似たようなことを言われたような気もします。漫画で描いた友人関係のように、ズバッと指摘して、ハッと思わせてくれる人は、大切にしていきたいなと思いますね。
―中村さんは普段も、人の想いに焦点を当てた作品を書いていらっしゃるのでしょうか
はい、例えば自分を見つめ直す時間の大切さをテーマに描いた『ソリチュード-ひとりを愛する人が集まるバー』等があります。考える時間、自分を癒す時間、人との距離感など、私なりの「生きやすくなるための考え方」を詰め込んだマンガです。
様々な規範(暗黙のルールや思い込み)に苦しんでいる方がいらっしゃったら、ぜひお手に取って読んでみていただけたらと…!何かヒントになる事がひとつでもあれば幸いでございます。
<中村あいさつさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/n_aisatsu
▽電子書籍『ソリチュード-ひとりを愛する人が集まるバー』(Amazon)
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