個人事業主にとって2月と3月は確定申告シーズン。年末あたりから意識を働かせ、早々に申告を終える人さえいるほどです。1月後半から個人事業主同士で顔を合わせると、あいさつ代わりに「申告終わりました?」と聞くのがこの時期の“あるある”ではないでしょうか。
近頃は有名キャバ嬢やキャバクラ店や風俗店での脱税のニュースが散見されているにも関わらず、業界内では未だに申告をしない・そもそも申告方法が全く分からないというような「確定申告バックレ界隈」が一部存在するのです。
確定申告の“か”の字も知らなかった!過去分を遡る地獄
今ではテレビの広告でも確定申告という言葉が出てきて、世の中に浸透してきているように感じますが、確定申告の“か”の字を一切分かっていなかった人も一定数存在します。筆者が出会ったスミレさん(仮名・35歳)もその1人で、夜の飲み屋で始めてから1度も納税をしたことがなかったという衝撃のエピソードを明かします(以下『』内、スミレさん談)。
『夜の仕事を始めたのが10年前なんですが、私が初心者だったころは周りに確定申告してる同業者などほぼおらず、申告という言葉さえ知らなかった。給料支払い時にお店に厚生費とか色々引かれているので、それが大丈夫だと思ってたくらい』
スミレさんのように夜のお店で働く人の一定数は、お店で給料から天引きされる厚生費などが納税だと勘違いしています。しかし夜のお店は、一般的な雇用ではなくキャストと店が業務委託をしているケースが大多数。いくらお金が引かれていても国に納めるお金ではありません。この違いを知らないまま意図せず申告を放置するキャストが大勢おり、後になってから慌ててしまいます。
スミレさんはようやく確定申告の存在を知って急いで準備を始めますが、何から手を付けて良いか分かりません。手元に領収書もほとんどなく、過去最大5年分全てを処理するのは“地獄”だったと語りました。
『ドレスやタクシー代のレシートも、給料明細もほぼ捨てていててんやわんやでした。当時毎月給料は60万から150万前後とムラがあったものの、まぁ高収入じゃないですか?税理士から“これだと相当税金持っていかれるよ”と忠告され……。貯金が吹っ飛び、この時期はしゃかりきになって働いた苦い記憶が残ってます』
税金が想像以上に高く驚いた彼女。ただ申告を覚えた後に周囲で“ガサ入れ”に遭ったキャストの話を聞き、「やってよかった」と心から思ったそうです。
追徴課税で億超え!?追加徴税されるナイトワーカーたち
次に話を聞いたのは“オトナのお店”で働くモカさん(25歳・仮名)。飲み屋とは異なり日払いのため、週給・月給制よりもお金の管理が大変だそう。彼女も前は税金に関してノータッチで、働き始めて3年目でようやく確定申告を始めました(以下『』内、モカさん談)。
『マメな性格だから、毎日貰った給料をアプリに入力してたんですよ。レシートとかもそれなりに残ってたので。でも風俗はキャバクラとかに比べると無申告率やばいですね。どの店舗も手渡しなんで、きちんとやっている人の方が珍しいレベル』
モカさんは月20万円~最大100万円程度と収入にバラつきがあり、3年分で100万円近く支払ったそう。あまり貯金をしておらず、納税でほとんど飛んでしまったため「思わず白目を剥いた」と苦笑いしながら語ってくれました。
そして「私なんてマシなほう。知ってるキャバ嬢の子がとんでもない追徴課税きたの知ってるので」と衝撃のエピソードを口にします。どうやらSNSでシャンパンなどの高額ボトルを載せ、明らかに稼いでいる様子を見せていたキャストさんに億越えの“突っつき”が入ったそうで……!?
『店でもトップクラスに売れてて給料振込なのに無申告だったって話です。ホストとかも話題になってないだけで追徴喰らってる人かなり多いらしいですよ。税金に関して特に厳しい時代だから、確定申告しないとマジで危険しかない。たぶん今後もどんどん追徴喰らうキャスト増えるような気がする』
以前は「夜職系は税金に対して見逃されやすい」なんて囁かれていましたが、それはもう昔の話に過ぎません。後になってから「やっておけばよかった」にならぬよう、日々領収書やレシートは保管していきましょう。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。