2024年から3年連続で5%以上と高い水準で推移する春季賃上げに新卒初任給の引き上げなど、賃上げラッシュとも言える状況が続いています。
その一方「世間では賃金アップのニュースばかりだけど、ウチは全然増えないんだけどな…」と全く実感が持てない人も少なくありません。
「ウチの会社のお給料は全然増えない」そのガッカリ理由を聞いてきました
入社以来、大して変わらない年収
Aさん(関東在住、40代、会社員)は新卒で入社した会社に、途中育児休暇を取得しつつ20年以上お勤めです。つい数年前まで時短勤務を選んでいたため、その期間の昇給・昇格ははじめから諦めていましたが、フルタイムに復帰してからはボーナスも満額支給となり、これから教育費でお金がかかってくる分、年収UPも期待したい!と考えています。
ところが、毎日6時間勤務から8時間に復帰した年こそ1割程度増えた年収が、フルタイム復帰後はほとんど増えません。復帰後3年分の源泉徴収票を見比べてみても、まさに「雀の涙」程度の年収増で、毎月の手取りの差はわずか数百円程度。
「ひょっとして、私の昇給忘れられてる??欠勤もゼロだし、マイナス評価の査定がついたことも一度もないのに…」。Aさんは不安になってきました。
ニュースの賃上げ話はなんなの??
テレビや新聞では「ベア(ベースアップ)3%以上、定期昇給込みで5%以上の賃上げを決定」なんてニュースをよく見るのに、ウチの会社はどうなってるの?それとも私だけ上がってないの?
ついにAさんは、入社以来親しくしている2年次上の先輩女性社員に手取りを聞いてみることにしました。先輩は時短勤務をせずに働き続けているから、自分よりもきっと多いのではないかと予想していたにも関わらず、手取りを聞くと先輩もたいして増えていないことがわかりました。
「年収が変わらない」を理由に転職活動、アリ?ナシ?で悩む
「ウチの会社、営業職はまだ査定でボーナスが上がるけど、うちら事務職はそういうのほとんどないしね…。定期昇給なんて、毎年1000円くらいじゃない?」
さらにAさんがショックを受けたのは、去年から新卒入社の総合職の初任給が自分たちの基本給と職能給を足した額よりも多かったこと。
「確かに中小企業で景気のいい話も聞かないですけど、世の中がこんなに昇給って言ってるのに、お先真っ暗ですよね…。年収を上げるには、転職活動するしかないかなって思って今求人情報をチェックしています。でも『自社の昇給がほとんどないことに気がついた』なんて転職理由、20年以上勤めた今さら面接で言えないですし、今さら転職も大変そうで悩んでいます。」
転職した先ではきちんと昇給があるのかどうやって調べればいいかもわからない、というAさんの転職活動、先は長そうです。
2024年の年収を前年と比較して年収が増えた人は51.9%と約半数
賃上げの状況は、春闘が行われる大手企業と中小企業では事情が異なるようです。
パーソル総合研究所が正社員規模301人以上の企業勤務者を対象にした「賃上げと就業意識に関する定量調査」によると、全年代で年収が増加したのは51.9%と過半数に上ってはいるものの、その割合は年代が上がるほど下がる傾向があります。
また、3年後の給与見込みが「変わらないと思う」27.0%、「下がると思う」31.5%と将来に期待を持てない層が6割近くという結果になりました。
今後の「賃上げ」の行方が正社員全体に波及するのか注目です。
【参考】
▽パーソル総合研究所 |「賃上げと就業意識に関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/news/release-20251113-1000-1/