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満開の桜並木で自撮り 桜の枝をポキッ 手に持ってカシャ 「それ犯罪ですよ」過去には枝を折って逮捕された事例も【弁護士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

SNSへの投稿が日課のAさんは、満開の桜並木で「最高の自撮り」を撮ろうと張り切っていました。しかし、どうしても花の位置が顔に合いません。「もっと花を近づけたい」と思ったAさんは、目の前にあった細い枝を1本、手でポキリと折ってしまいました。

折った枝を手に持ち、笑顔で撮影を続けるAさん。すると、通りかかった男性から「それ犯罪ですよ。警察を呼びます」と厳しい口調で注意されました。Aさんは驚き、「たった数センチの枝だし、またすぐ生えてくるじゃないですか」と反論しましたが、相手は納得せず、周囲の視線も冷ややかです。

果たして桜の枝を折る行為は、本当に「警察沙汰」になるような犯罪なのでしょうか。まこと法律事務所の北村真一さんに聞きました。

成立するのは「器物損壊罪」や「窃盗罪」

ー桜の枝を折る行為は、法的にどのような罪に問われますか?

まず考えられるのは、刑法の「器物損壊罪」です。桜の木は公園や自治体、あるいは神社や個人などの「所有物」です。その一部を折って鑑賞価値を損なう行為は、他人の物を壊したとみなされます。3年以下の懲役、または30万円以下の罰金もしくは科料が科される可能性があります。

さらに、折った枝をそのまま持ち帰った場合は「窃盗罪」(10年以下の懲役、または50万円以下の罰金)に問われる可能性もあります。「枝1本くらいで」と思うかもしれませんが、法的には立派な犯罪行為なのです。実際に、大阪市の公園で桜の枝を折った男性が逮捕された事例もあります。

ー公園や街路樹など、場所によって適用される法律は変わるのでしょうか?

折った場所が国立公園や国定公園内であれば、「自然公園法」違反となり、より厳しい処罰の対象になることがあります。また、各自治体が定める「公園条例」などでも、植物の採取や損傷は固く禁じられています。

ー地面に落ちている枝を拾って持ち帰るのはセーフですか?

厳密に言えば、落ちている枝であってもその土地の所有者に権利があるため、勝手に持ち帰れば「遺失物等横領罪」や「窃盗罪」に問われるリスクがゼロではありません。ただ一般的には清掃目的とみなされたり、微罪として見逃されたりすることが多いでしょう。しかし管理が厳しい公園などでは、注意を受ける可能性があります。

ー「たった一枝」でも、損害賠償を請求されることはありますか?

十分にあり得ます。桜は非常にデリケートな植物で、折れた箇所から菌が入って木全体が腐ってしまうこともあります。もしその1本の枝が原因で木が枯れてしまったり、樹形が乱れて景観を損なったりすれば、木の植え替え費用や養生費用など、数十万円単位の損害賠償を請求されるケースも考えられます。

◆北村真一(きたむら・しんいち)弁護士 
「きたべん」の愛称で大阪府茨木市で知らない人がいないという声もあがる大人気ローカル弁護士。猫探しからM&Aまで幅広く取り扱う。

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