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「もう限界だ。離婚してほしい」 青天のへきれきだった夫の言葉 子育て全力投球の妻は危険なサインを見逃していた【夫婦関係修復カウンセラーが解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

30代のAさんは、待望の第1子を授かって以来、文字通り育児に人生のすべてを捧げてきました。完璧な母親でありたいという強い思いから、食事の栄養管理や習い事の送迎、知育教育に奔走。夫が仕事から帰ってきても、意識の100%は子どもに向いていました。

夫が話しかけても「今、寝かしつけ中だから」「忙しいのが見えない?」と素っ気なく返し、休日の予定もすべて子ども優先です。Aさんは「夫も私と同じように、子どもの成長を喜んでくれている」と信じて疑いませんでした。

しかし、子どもが幼稚園に入園し、少しだけ手がかからなくなったある日の夜。夫から告げられたのは「もう一緒にいるのは限界だ。離婚してほしい」という晴天の霹靂ともいえる言葉でした。Aさんはパニックになり「どうして? 私はこんなに頑張ってきたのに!」と泣き崩れましたが、夫の心はすでに氷のように冷え切っていました。

子育てに心血を注いできたはずの妻が、なぜ離婚を突きつけられてしまったのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。

破綻直前…見逃してはいけない「危険なサイン」

ー子育てに熱心な妻に対し、夫が離婚を考えるまでに追い詰められる心理的背景とは?

Aさんのようなケースでは、妻の意識の中で自分と子どもが一体化してしまい、夫がその輪の外へ弾き出されていることがよくあります。

妻側は「子どもの成長という共通の目標に向かっている」つもりでも、夫側は「自分はただの同居人、あるいは塾代や生活費を運ぶためのシステムの一部」のように感じてしまうのです。

帰宅しても晩御飯より子どもの宿題が優先され、自分の意見が家庭運営に反映されない日々が続くと、男性は「この家に俺の居場所はない」と、深い孤独と絶望を抱くようになります。

ー夫婦関係の危機を示す危険なサインには、どのようなものがありますか?

最も危険なのは、夫が期待しなくなり、何も言わなくなることです。

多くの妻は、夫が文句を言わなくなると「ようやく私の大変さを分かって、協力してくれるようになった」と誤解しがちです。しかし実際には、期待しても無駄だと諦めているだけのケースが大半です。

会話が事務連絡だけになる、スキンシップが途絶える、晩御飯を「何でもいい」と済ませる。これらは、心の中で離婚の準備を始めているサインかもしれません。

ー離婚を回避し関係を修復するために、今すぐ取るべき行動と伝えるべき言葉は?

まずは、Aさん自身が「私は悪くない、頑張ってきた」という防御姿勢を一度捨て、自分の心と向き合う必要があります。

その上で、夫の本音をジャッジせずに受容する覚悟を持ってください。「夫はどんな家庭を望んでいたの?」という問いに対し、今のAさんはきっと答えられないはずです。まずは夫が何に傷つき、何を寂しいと感じていたのかを、耳を傾け続けるしかありません。

ここまで拗れてしまった関係を修復するのは、まさに崖っぷちからの再スタートですが、夫を一人の男性として再び受け入れることが、関係改善の別れ道になるでしょう。

◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士、心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。

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