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空き家を「寄り添う場」へ 京都の大学生が築50年の一軒家をリノベ、コーヒー振る舞い、ワークショップも開催

京都新聞社 京都新聞社

 京都市東山区今熊野の空き家を大学生たちがリノベーションし、地域の居場所へと再生した。1人が2階に住みながら、1階を随時開放する。しゃれたカウンターでコーヒーを振る舞ったり、工芸のワークショップを催したり。「地域に出ていきたい学生の拠点」を目指している。

 京都美術工芸大(同区)の学生たちが2024年8月末、今熊野南日吉町に完成させ「今熊野ベース」と名付けた。

 中心となったのは、建築学専攻で大学院1年の森田優佑さん(24)。学生の力を地域に生かす活動を探る中、今熊野に空き家が多い問題を知った。

 住民の紹介で、築50年ほどの1軒を借りて交流拠点に改修することに。木造2階建て、延べ床面積約40平方メートルの戸建てを約30人が1年以上かけて変身させた。

 玄関付近は床板をはがして土間のようにし、下足の領域を広げ気軽に立ち寄れるようにした。室内を汚す恐れのあるアート体験もしやすい。シャンデリアをつるし、壁をオレンジ色に塗るなど、こだわりを詰め込んだ。

 対照的に、奥側は木材を多用した温かな雰囲気に。手作りの大きな机をしつらえ、座ってくつろげる。

 2階は森田さんが暮らす。1階は普段キッチンとして使いつつ、月1回ほど開放。防災パトロール中の住民が休憩し、森田さんがコーヒーを出す。陶芸や革小物作りの教室も不定期に開き、学びを還元している。

 森田さんは以前マンションで暮らしていたが、地域の交流はなく「住んでいても住んでいない感覚だった」。

 今熊野ベースでは改修中から近所の人に声をかけられ、家具も譲られるなど、豊かな地縁を感じた。開放日だけでなく、日頃の付き合いもあり「人間関係の輪が広がった」。

 ユニークな拠点を受け入れた「寛容な地域にお返しを」と願うが「何かを解決するのではなく、寄り添う場になれば」。特技を発信したいさまざまな大学の若者が住民と出会う中で、地域おこしの端緒が生まれることを願う。

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